
vol.275
吉祥寺の老舗焼き鳥店「いせや総本店」営業停止
昭和の雰囲気を今に伝えるJR吉祥寺駅前の老舗焼き鳥店「いせや総本店」(武蔵野市御殿山)が9月25日、営業を停止した。老朽化による建て替えのためで、現在地には平成20年春、14階建てのビルがオープンする。新店舗はビル内に開店するが、木造店舗の取り壊しを惜しむ客100人以上が、最終日は午前中から列をつくり、“別れの杯”を酌み交わした。
いせやは、昨年急死したフォーク歌手の高田渡さんも常連客の一人だった。昭和3年に精肉店として創業し、現在の店舗が完成した昭和28年以降、店のまかない食だった焼き鳥を売り始めた。
当時は1本10円。消費税が導入された平成元年以降、1本80円で据え置いている。
立ちこめる煙もトレードマーク。しかし、店舗の老朽化は進む一方で、昨年春ごろから建て替えの検討に入っていた。
「さみしいけど、しようがないね。使い勝手がいい店だったけど」
いせやに50年以上勤める西島泰助店長(74)は名残惜しそう。「店が新しくなっても値段は変わらない。おれがいる限り、味も変わらないよ」
来月上旬からJR吉祥寺駅北口の旧三越裏の仮店舗で営業を続ける。