
vol.277
「北朝鮮が初の地下核実験に成功したと発表
各国の足並みは揃うのか!?
北朝鮮は9日、「地下核実験を実行した」と発表。日本など各国はこれに強く反発した。ブッシュ米大統領は北朝鮮を厳しく非難し、安倍晋三首相も日本単独で追加制裁に踏み切る考えを表明した。
[国連 10日 ロイター]北朝鮮が初の地下核実験に成功したと発表したことに対して主要国政府が批判を強めるなか、国連安全保障理事会は非公開協議を開催し、北朝鮮に対する武器の禁輸措置や金融制裁を検討した。
米国は北朝鮮に出入りする船舶の臨検、大量破壊兵器のあらゆる移転・開発の凍結、ぜいたく品の禁輸などを盛り込んだ制裁決議案を提示した。
これに加え、日本はより厳しい独自の追加制裁案を策定。これには核・弾道ミサイル関連物資を積んだ北朝鮮籍の全船舶・航空機の入港・着陸を禁止することが含まれている。国連安全保障理事会の議長を務める大島賢三国連大使は、安保理は北朝鮮の核実験を非難し、「安保理が強力かつ迅速で、極めて明確なメッセージと行動によって対応すべきであることを重視している」と述べた。
米国は11日、早期の採択を目指して北朝鮮に対する制裁決議案の修正案を国連安全保障理事会各国に提示した。ロイターが入手した修正案には、北朝鮮に対する一連の兵器関連および金融分野での制裁が盛り込まれている。
[モスクワ ロイター]ロシアのイワノフ国防相は10日の記者会見で、北朝鮮の核実験が核不拡散体制にとって「大打撃」だったとしながらも、今後予想される国連安全保障理事会の決議案が武力行使を伴うべきではないとの認識を示した。イワノフ国防相は「国連安保理で今後決議案が審議される場合、武力行使については協議しない」と指摘。「この点はロシアにとり非常に重要。北朝鮮で軍事活動があった場合を想像してもらいたい。北朝鮮は3国と国境を接しており、ロシアはそのひとつである」と述べた。
[国連 ロイター]中国の王光亜国連大使は10日、核実験実施を表明した北朝鮮に対する一定の懲罰的措置は必要とし、中国が制裁を容認する姿勢を示した。しかし具体的にどのような制裁を支持するかについては触れなかった。王大使は記者団に対し「(北朝鮮に対する)一定の懲罰的措置は必要だと思われるが、適切な措置とすべきだ」と指摘。安全保障理事会として「北朝鮮の核の脅威に対し、断固とした、建設的かつ適切でありながら慎重な対応」が必要と語った。
[ソウル ロイター]韓国の盧武鉉大統領は10日、北朝鮮が核実験を行ったと発表したことを受け、北朝鮮に対する包容政策を再検討する必要があるとの見解を表明した。大統領の報道官によると、同大統領は「現在の状況を踏まえると、われわれの包容政策の再検討が必要なのは事実だ」と述べた。
金大中政権が導入した「太陽政策」と呼ばれる対北朝鮮の包容政策に基づき、これまで北朝鮮の上層部に対する資金提供などの援助が継続的に行われてきた。
しかし「太陽政策」は日本や米国など諸外国による批判を受けてきた。また韓国国内からも、同政策が目に見える成果を上げていないとの批判の声が挙がっている。
根強い失敗説
米CNNテレビは10日、北朝鮮が9日に実施したと発表した「核実験」について、直前に中国に4キロトン規模(TNT火薬換算)の実験を行うと事前通報していたにもかかわらず、実際はそれを大幅に下回ったとして、「何らかの失敗があった」とする米政府当局者の見解を伝えた。
CNNによると、実験場とみられる地点からの地震波観測に基づく爆発規模は500トンか200トン程度に過ぎなかった。地下実験ゆえ地震波が遮断された可能性もあるとはいえ、小規模だった理由について、(1)核爆発ではなく大量の火薬による爆発だった(2)最初から小規模爆発を意図した(3)核実験に失敗して爆発規模が小さくなった−の3説が挙げられている。
このうち意図的な小規模爆発について、軍事専門家の間には「北朝鮮が核を小型化する技術を持っているとは思えない」と、懐疑的見方が多い。