
vol.277
ディープインパクト年内引退
史上2頭目の無敗のクラシック3冠馬で今月1日(日本時間2日未明)フランスで行われた凱旋門賞(GI)で3着となったディープインパクトの年内の引退が発表された。
同馬を管理する池江泰郎調教師、デビューから手綱を取り続けている武豊騎手らは「来年の凱旋門賞で雪辱」というのが希望だったようだが、既に日本競馬史上最高の51億円ものシンジケートが組まれており、仮に来年も走り続けて、故障しないという保証はどこにもない。さらにディープが国内のレースで負けた場合、種牡馬としての価値が下がりかねない。“競馬ビジネス”という観点からすると、オーナーサイドの決断は十分、予想されたものだった。
サンデーサイレンス産駒は総じて早熟なだけに、来年、5歳となっても“上積み”が期待できるかは未知数。来年の凱旋門賞挑戦に関しても、4歳以上の牡馬の斤量が59.5キロと重く、3歳の56キロと比べ、不利な点は否めない。この重量差が敗因と考えられた今年以上の成績を収める可能性は低いとみるのが一般的。
1988〜1990年にかけ空前のブームを巻き起こしたオグリキャップのように、ボロボロになるまで走り続ける選択肢もあるが、オグリのケースはむしろまれ。惜しまれつつの引退は悪くはない。ただ、引退が発表された有力馬は故障を気にするあまり、レースで精彩を欠くケースが目立つ。ディープも今後、天皇賞秋(10月29日、東京)、ジャパンカップ(11月26日、東京)、有馬記念(12月24日、中山)のうち、1、2レース程度に出走するとみられているが、果たしてその点はどうなのだろうか。
大種牡馬、サンデーサイレンスが死んだ今、生産界では後継種牡馬としてのディープの「血」に対する期待は大きい。産駒の活躍に期待したいところだ。