
vol.277
代理出産問題で品川区が最高裁に許可抗告
タレントの向井亜紀さん(41)と元プロレスラーの高田延彦さん(44)夫妻が、米国での代理出産でもうけた双子(2)の出生届を受理するよう求めている問題で、東京都品川区は10日、受理を命じた東京高裁決定を不服として、最高裁への許可抗告手続きを取った。がんで子宮を摘出した向井さんは米国人女性に代理出産を依頼。平成15年に男児の双子が生まれた。向井さん夫妻は品川区に出生届を提出したが不受理となり、品川区長を相手に処分取り消しを東京家裁に申し立てた。昨年11月、東京家裁が却下し、夫妻は東京高裁に即時抗告。同高裁は9月29日の決定で「公序良俗に反するケースではなく、子の福祉を優先すべき」と判断、区に出生届受理を命じていた。
長勢甚遠法相は10日の閣議後会見で、「最高裁判例や学説のほとんどが日本では分娩で母子関係とする考え方で統一されているが、高裁決定はきちんとした判断があるように思えず、確定すると混乱する」との見解を示した。法務省は高裁決定後、戸籍事務に関して市区町村に指示できると定めた戸籍法に基づき品川区と協議し、最高裁の判断をさらに仰ぐ必要があるとの結論に達した。
向井さん夫妻は同日夜、都内で会見。向井さんは「米国人の女性の身体を道具にしたつもりはない。(高裁決定は)女性への恩返しにもなる。双子の子供たちには、どういういきさつであなたたちが生きているのか−を説明できる保護者、親になりたい」と強調。その上で「(高裁決定後)次のステップに進むだろうとは何となく感じていた。がんばろうという感じ」と述べ、行方を見守っていく考えを示した。
8日の品川区長選で初当選した浜野健区長(59)は向井さんの心情に理解を示しつつ、出生届の受理を命じた東京高裁決定への「許可抗告」について、「(出生届の受理は)国民のコンセンサスが得られているとは思えず、まだまだ議論すべきだ」などと理由を説明した。