

vol.277
三上博史から山本耕史へ ヘドウィグ再々演
パッと見ただけではまったく誰だかわからない。毒々しいメークは女性のものではないし、際どく露出された体の引き締まり方も明らかに男。だが、普通の男にはない中性的で繊細な哀しみを漂わせる…。
実はコレ、来年2月15日に開幕するロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(鈴木勝秀演出)のポスターカットのうちの1枚。性転換手術に失敗し、股間に1インチの突起が残ってしまったロック歌手ヘドウィグが、恋人に裏切られ、真実の愛を渇望しさまよう物語。オフ・ブロードウェーでの初演では地元ニューヨーカーやマスコミ、アーティストたちに絶賛され、映画化された作品は日本でも『シネマライズ』のロングランとなった。2004に日本で初演された舞台では三上博史が主演。ヘドウィグの哀しみを卓越した歌と芝居で表現し絶賛された。三上は翌05年の再演でも舞台に立ったが、当時のインタビューで「潔くバトンは渡さなければいけない」と語っていた。
しかし、人気の舞台だけに再々演をのぞむ声も多く、新たなヘドウィグとして選ばれたのが山本耕史。山本は「オカマバーのような楽しさと下品さ、人間の清潔さの両方を表現したい」と意気込みを見せている。完成したポスターには「キモイ!」と照れまくりだが、“オカマ”を演じる抵抗はゼロ。「何を思い、演じ、表現するかが大事で、女装は単なる見え方に過ぎない」と山本。衣装にもまったく抵抗はなく「ぼくにとってはTシャツ、ジーンズと同じ。これからも、何でも着ますよ」とおおらかに笑った。山本の起用に際し、製作のニッポン放送、近藤久晴プロデューサーは「大河俳優だし、紅白の司会者だし、イヤだろ−なと。ダメもとでお願いしたんですが…」と意外なOKにニンマリ。「今回はヘドウィグのみずみずしい青春を演じてほしい」と山本に期待を寄せている。東京公演は、2007年2月15日〜3月4日まで、新宿区歌舞伎町のライブハウス『新宿「FACE」』で行われる。