
vol.279
必修科目未履修で卒業危機!?
富山県立高岡南高校(篠田伸雅校長)で、3年生197人全員が、2年時に学習指導要領で2科目履修する必要がある地理歴史の授業を1科目しか受けていなかった問題で、岩手県や山形県など少なくとも11県66校で同様の未履修があったことが25日、分かった。
このまま履修しないと約7000人の3年生が卒業できない恐れがある。氷山の一角と指摘する予備校関係者もおり、未履修は今後拡大しそうだ。文部科学省は同日、全国の公立高校の必修科目の取り扱いについて実態調査に乗り出した。未履修が発覚したのは、岩手県の30校や山形県の12校、福島県の10校のほか、青森、栃木、富山、石川、福井、広島、愛媛、宮崎−の11県。
各県教委によると、未履修の理由として学校側は「生徒の進路希望実現のため」「大学受験対策のため」などと説明している。
地理歴史の不足が大半だが、中には公民、情報、理科、芸術で不足している高校も。卒業生の一部が卒業資格を満たしていない可能性もあるという。ただ、過去に卒業生を含む同様の未履修が発覚した広島県などは、さかのぼった措置はとっておらず、そのまま卒業が認められる見通しだ。
事態を重く見た文部科学省は都道府県教委に対し、必修科目が正規に盛り込まれているかなどについて調査し、不足の学校名や学校数を27日までに回答するよう求めた。同省は「法令に反する学校運営であり、関係者は重く受け止めてほしい」としている。
高岡南高校では県教委と協議し、不足分は土曜日や日曜日の補習を通じて単位を取得させる方針。同校は「大学受験に必要な科目に力を入れてという生徒の要望を聞き入れ、カリキュラムの運用を変えてしまった」と釈明している。