
vol.279
もう娘の心配はしなくてもいいよ
『渡鬼』の藤岡琢也さん死去
遺影の写真は、15年間“お父さん”を演じた『渡る世間は鬼ばかり』の岡倉大吉の姿だった。20日に慢性腎不全のため亡くなった藤岡琢也さん(享年76)の葬儀・告別式が24日、芝公園の増上寺光摂殿でしめやかに営まれた。
涙ながらに弔辞を読んだ二女・五月役の泉ピン子を始め、長女役・長山藍子、三女役・中田喜子、四女役・野村真美、五女役・藤田朋子と娘たちが勢ぞろい。万感の『渡鬼』ファミリーに囲まれて藤岡さんは天国に旅立った。「15年間で354回も続けてきて私たち娘は思い出がありすぎて、お別れを言うのがつらすぎる」。ピン子は言葉に思いを込めた。式終了後も涙が止まらず、「藤岡さんは第6シリーズ(平成14〜15年)ぐらいからひそかに病気と闘っていた。倒れてからは集中治療室に出たり入ったりしていたし、娘にそういうところ見せたくないだろうと思ったので、病室には行かなかった」と明かした。番組ではいつも娘たちの心配ばかりしていたお父さんだったが、娘たちも公私共にお父さんを気づかっていた。今年2月に入院してからは、大吉役を宇津井健に譲ったがその無念を察してか、棺には降板が決まる前に収録された4、5シーンなど、藤岡さんの名前が記された台本が納められた。