
vol.280
金融制裁問題を討議することに同意も米朝の溝は深く…
米中朝が6カ国協議再開で合意
中国外務省は10月31日、中国、米国、北朝鮮の6カ国協議首席代表による非公式協議が北京で開かれ、近く6カ国協議を再開することで合意したと発表した。北京滞在中の米国のヒル国務次官補は「11月か、場合によっては12月に再開したい」と語った。再開されれば昨年11月以来、約1年ぶりとなる。米側は北朝鮮に対する金融制裁問題を討議することに同意したが、金融制裁解除を求める北朝鮮と、同国の核放棄を要求する米国との間の溝は深く、交渉は難航が予想される。中国外務省の発表によると「3者は6カ国協議の継続を推進することについて、率直につっこんだ意見交換をした。近く、6カ国に都合のよい時期に協議を再開することに同意した」という。
11月1日には北朝鮮が6カ国協議に復帰することを確認。朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は「DPRK(北朝鮮)は、6カ国協議の枠組み内で、米国と金融制裁解除について協議するとの約束を踏まえ、協議への復帰を決めた」と述べた。
ヒル国務次官補は記者会見で、北朝鮮の首席代表である金桂寛外務次官と31日午後に2国間で接触したことを明らかにした。協議復帰について同次官補は、北朝鮮は「何も条件を付けていない」と強調したほか、「北朝鮮が再度、核実験を行うことは本日の非公式協議と矛盾する」と語り、当面は北朝鮮が核実験を行わないとの見方を示した。また、金融制裁をめぐっては、「作業部会を設置する用意がある」とした上で、北朝鮮を核保有国として認めないことと、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議は今後も有効であることを明確に示した。
6カ国協議が再開される見通しになったことについて、関係各国はいっせいに歓迎する姿勢を示した。韓国政府は31日、北朝鮮が6カ国協議復帰に合意したことを歓迎する外交通商省スポークスマン談話を発表した。談話は「6カ国協議が早期に再開され、共同声明の履行により朝鮮半島非核化が実現することを期待する」としている。盧政権は国連安保理の対北制裁決議を受け、太陽政策の象徴である金剛山観光事業と開城工業団地建設事業の見直しを求められ、対応に苦慮していた。大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)についても消極的な姿勢を崩さず、米国などから本格的な参加を求める声が強まっていた。
[ワシントン ロイター]ブッシュ米大統領は31日、北朝鮮の6カ国協議復帰の合意を歓迎していると述べるとともに、国連安全保障理事会の制裁決議が確実に施行されるよう、地域に担当者を派遣する意向を示した。
大統領は記者団に対し「やらなければならないことは依然多く残っている」と述べた。そのうえで、6カ国協議再開合意へこぎつけた非公式会合を促した中国に対して感謝の意を示した。
大統領はまた「安保理の決議が確実に施行されるよう同盟国と連携するため、地域に担当者を派遣する。一方で、協議が確実に効果をもたらすようにも努める」と語った。
核と拉致の問題解決なければ制裁解除せず
[東京 ロイター]安倍晋三首相は1日夕、北朝鮮の6カ国協議への復帰について、日本を含む国際社会の要求に応えたことを評価しながらも、核実験や拉致問題での解決がなけれな北朝鮮への制裁措置を解除しない考えを強調した。官邸内で記者団に語った。
安倍首相は「国連決議では核廃棄を求めているため、それがなされなければ制裁を緩めることはない」とした。日本単独の制裁についても「核実験や拉致問題に誠意を示していないため、解決されなければ制裁を解除しない」と述べた。
さらに周辺地域の非核化に向けて「日本は6カ国協議の参加国として、北朝鮮が核を廃棄するよう他の国とともに努力していく」と語った。
自衛隊の観艦式観閲
平成18年度の自衛隊観艦式が29日、相模湾沖の太平洋上で行われ、護衛艦「くらま」に乗艦した安倍晋三首相が護衛艦や潜水艦、ミサイル艇など海上自衛隊の主力艦艇を観閲した。
観艦式で安倍首相は、北朝鮮による弾道ミサイル発射や核実験実施が日本や北東アジア、国際社会にとって深刻な脅威であることを改めて強調。「同盟国米国などと緊密に連携し、国家と国民の安全の確保に全力を期す」と語った。また、危機管理体制の一層の充実・強化のため「防衛庁を省に移行させ、国際平和協力活動等を自衛隊の本来任務とするなど必要な体制整備を行う」と訓示した。