
vol.282
「最重要法案」に安倍首相自ら単独採決を指示
教育基本法改正案を与党が単独で可決
教育基本法改正案が15日夕、衆院教育基本法特別委員会(森山真弓委員長)で自民、公明両党の与党単独で採決、可決された。16日には衆院本会議でも可決。野党側は本会議も欠席した。
衆院特別委は午前に中央公聴会、午後に締めくくり総括質疑を行ったが、民主、共産、社民、国民新党の野党4党は「採決を前提とする質疑には応じられない」と総括質疑への出席を拒否。与党側は委員会を一時休憩し出席を求めたが、野党側は応じず、質疑は打ち切られ直ちに改正案が採決、可決された。これに先立つ衆院議院運営委員会の理事会では、逢沢一郎委員長が職権で16日午後の本会議開催を決めた。
12月15日までの会期内成立に全力を挙げる方針の政府・与党に対し、野党4党は午後の幹事長・書記長会談などで、衆院での全面審議拒否と、参院での参考人質疑などを除く全委員会での審議拒否を決めた。
改正案は昭和22年の教育基本法施行以来、約60年ぶりに全面改定した内容。「愛国心」をめぐる表現を「我が国と郷土を愛する態度を養う」とし、「公共の精神」など新しい理念を盛り込んだ。
19日投開票の沖縄県知事選もにらんで激しい攻防を繰り広げた与野党。与党側は、一時、与野党の推薦候補が大接戦を演じている沖縄県知事選への影響を懸念し、衆院通過を21日に先送りする案も検討されたが、改正案を今国会の最重要法案と位置づける安倍晋三首相の強い意向に沿い「政策」を優先させた。野党側は、審議拒否という徹底抗戦により与野党の対立構図を鮮明にすることで「政局」に持ち込んだ。
民主党の小沢一郎代表は夜、都内のホテルで鳩山由紀夫幹事長と会談し、「野党の共同歩調をとれたのは大きい。与党の国対は間違えたんじゃないか」と強気の姿勢を崩さなかった。民主党は採決に反対した理由として「審議が尽くされていない」(高木義明国対委員長)と説明。具体的には(1)いじめによる子供の自殺問題(2)教育課程の未履修問題(3)政府主催のタウンミーティングでの「やらせ質問」問題−が未解決だと主張している。