
vol.282
北への輸出禁止の「ぜいたく品」決定
政府は14日、北朝鮮への輸出を禁止する「ぜいたく品」として自動車など33品目(分類が煩雑なため、便宜上、同種の物品を同一品目と数え、24品目として公表)を規定、外為法に基づき輸出貿易管理令改正を決定した。15日に施行。北朝鮮の核実験に対する国連制裁決議に基づく措置で、北朝鮮指導層に圧力をかける狙いがある。ただ、中韓露の各国は制裁に消極的とみられ、実効性を確保するためにも国際連携が課題だ。
33品目の平成17年の北朝鮮への輸出額は約11億円で、北朝鮮への輸出総額の約16%。政府はぜいたく品の輸出について第三国経由の輸出も禁止し、禁輸措置を確実に実施するため税関の監視を強化する方針。
政府が「制裁決議の履行をリードする意思表示」(外務省筋)として輸出禁止に踏み切ったのは、連携を進めてきた米国との調整がついたためだ。だが、「第三国が品物を横流しすれば把握するのは困難」(経済産業省筋)で、北朝鮮との関係の深い中国の協力を得なければ効果は不十分とみられる。
実際、中国は露韓両国とともに北朝鮮との対話を重視しており、6カ国協議再開を前に、日米並みに禁輸措置をとるかどうかは不透明だ。
安倍晋三首相は14日夜、今回の措置について、記者団に「ぜいたく品だから、北朝鮮の一般国民には影響はないと思う。むしろ、政権や党に対する効果があるのではないか」と述べた。
北朝鮮は6カ国協議で強硬姿勢
[ワシントン ロイター]北朝鮮を訪問した米専門家・元政府高官らのグループは15日、記者会見で、初の核実験を実施した北朝鮮は6カ国協議で強硬な姿勢を強める、との見通しを明らかにした。
同グループは北朝鮮が6カ国協議復帰を表明した後の10月31日〜11月4日に北朝鮮を訪問。専門家らは、北朝鮮は核実験実施を背景に核大国として米国と「対等な立場」で扱われることを望んでいる、と述べた。
スタンフォード大学の核専門家ジークフリード・ヘッカー氏は、北朝鮮の核交渉担当者や軍関係者、原子力専門家との接触では「核能力を実証した今、強い態度で交渉に臨む」との姿勢がうかがわれた、と話す。
北朝鮮の政府高官らは皆、6カ国協議が再開された際に米政府に期待する態度として、「平等な立場」という表現を使っていた、という。
米政府の元北朝鮮交渉責任者、チャールズ・ジャック・プリチャード氏は、北朝鮮が核プログラムを停止する見返りにエネルギー支援などを得るという、2005年9月19日の6カ国協議で交わした合意を尊重するということを、北朝鮮当局者は明言した、としている。ただ、北朝鮮側は、「米国など他国が行うべきことに重点を置いていた」という。