
vol.282
PS3狂乱 開店1時間以上前には売り切れに
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は11日、画像の処理性能を大きく向上させた新型家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」を国内で一斉発売した。現行のPS2発売以来、約6年8カ月ぶりの新製品だが、発売が当初予定から半年あまりずれ込んだほか、生産遅れに伴う品不足で初回の国内出荷台数は約10万台に限定。このため、各地の家電量販店では前日の夜から長蛇の列ができ、一部では混乱もみられた。東京都千代田区のビックカメラ有楽町店では、午前5時には約1200人が並んだ。列が崩れて混乱し、警察が出動する騒ぎとなる中で、午前7時としていた販売開始の1時間以上前には「売り切れ」の看板が掲げられる状態だった。
こうした品薄感で転売も横行し、各地の大手家電量販店には中国人らが殺到。ビックカメラ有楽町店でPS3を購入した留学生の中国人(26)は「自分で使う気はない」と語るなど、購入者の中には買ったその足で量販店近くで待機していた男にPS3を手渡し、引き換えに現金を受け取る光景もみられた。インターネットのオークションサイトには、11日に早くも数千点のPS3が出品され、店頭販売価格の倍以上の価格で落札されている。
PS3はスーパーコンピューターに匹敵する処理能力を持った半導体を搭載し、高画質の次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」も備える高機能が売り物。価格はメモリー容量20ギガバイトで4万9980円、60ギガバイトが6万円前後と家庭用ゲーム機としては高額となる。
ノート型パソコン用電池のリコール問題が影を落とすソニーにとって、PS3は復活のカギを握る。しかし、初回出荷台数の少なさに加え、PS3と同時に発売されたソフトはわずか5作品。「Wii(ウィー)」を12月2日に発売するライバルの任天堂が当初から16ソフトをそろえ、40万台以上の初回出荷で臨む姿勢とは対照的だ。SCEではPS3を17日に米国、来年3月には欧州にも投入し、全世界で年度内に600万台の出荷計画を立てるが、初日に売り切った大手量販店では「次回入荷は未定」と話している。
PS・PS2ソフトが一部動かない
13日、PS3で、本来互換性があるはずのPSとPS2のゲームソフトの一部が正しく動作しないことが明らかになった。こうしたソフトは約200種類に上るとみられる。不具合はソフトによりさまざまだが、音声が聞こえない 画面が正常に表示されない データの読み込みに失敗する−などの現象が確認されているという。SCEはソフト名から正しく動作するかを確認できる検索サイトを開設した。
PS・PS2向けソフトは8000種類以上に上り、SCEでは検証を進めている。また、SCEは「本体のシステム更新やソフト個別の修正ソフトで改善する場合もある」としている。