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11月19日、選挙の裏では安倍首相(中央)はベトナムでアオザイ(2006年 ロイター/Jim Young)
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vol.283
沖縄県知事選で自公推薦候補が勝利
在日米軍再編への対応や経済振興策を争点とした沖縄県知事選は19日投開票され、無所属新人で前沖縄電力会長の仲井真(なかいま)弘多氏(67)=自民、公明推薦=が、無所属新人で前参院議員の糸数慶子氏(59)=民主、共産、社民、国民新党、新党日本、沖縄社会大衆推薦=ら2人を破り、初当選した。仲井真氏は稲嶺恵一知事の路線を継承し、在日米軍再編について政府との協議を進める考えを表明した。投票率は64.54%で、過去最低だった前回を7.32ポイントを上回った。
仲井真氏は在日米軍再編の柱となる普天間飛行場(宜野湾市)の移設をめぐり、キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)にV字形滑走路を造る日米両政府案には反対しながらも、条件次第では県内移設を容認する方向だ。稲嶺恵一知事が提案した暫定ヘリポート案の取り扱いなどで政府と考えが一致すれば、移設は実現に向けて前進する。
仲井真氏は2期8年を務めた稲嶺知事の後継候補として、与党陣営や経済界が擁立。旧通産官僚や副知事の経験を強調し、失業率改善などを訴えて幅広い支持を得た。ただ、政府との安易な妥協は県民の反発を招きかねず、普天間飛行場の県内移設を直ちに認めることは難しいのが現実。雇用創出や沖縄振興予算の確保などでも手腕を問われることになる。
仲井真氏が勝利したことで、自民、公明両党は12日の福島県知事選の敗北をリカバーし、国政への影響を最小限にとどめた。一方、民主党は、共産党まで含めた野党共闘を組んだ末の敗北だけに打撃は大きい。
基地問題を抱える沖縄知事選は自公両党にとり「絶対に負けられない選挙」。知事選に敗北すれば、教育基本法改正案の参院審議は混迷し、安倍政権の最重要課題である「教育改革」が根幹から揺らぐ事態になりかねなかった。与党側は知事選勝利をバネに、より強気の国会運営を進めていくとみられる。
一方、8年ぶりの野党統一候補を擁立して選挙戦を戦い、国会論戦でも政府・与党との対決姿勢を鮮明にした民主党だったが、結果は敗北。小沢一郎代表の「対立軸路線」の見直しを求める声も強まりそう。
民主党は今回の知事選を「年内最大の政治決戦」(小沢氏)と位置づけ、小沢氏自ら計4日間も現地に入るなど、国政選挙並みの態勢で臨んだ。選挙戦と同時に臨時国会でも、与党との対決姿勢を強調。教育基本法改正案の衆院採決を欠席したのをきっかけに、衆参両院を通じて審議を全面的にボイコットしている。こうした行動は、選挙戦で「与党による数の横暴」(高木義明国対委員長)とアピールする狙いもあったが、選挙結果をみれば、逆に野党の「無責任」との批判も招いた形だ。
党内には、「選挙」を重視するあまり「政策」が置き去りにされたことへの不満もくすぶる。防衛庁の「省」昇格関連法案の対応では、党内で賛成派が多数を占めるにもかかわらず、野党共闘を優先し賛否を先送りした。保守系議員からは「知事選は終わった。党の政策判断をきちんと示すべきだ」(若手)との声もあがっている。