
vol.287
監視委が「利益水増し」の日興に5億円の課徴金
証券取引等監視委員会は18日、東証1部上場の証券大手、日興コーディアルグループに対して課徴金の支払いを命じるよう、金融庁に勧告した。日興コーデが平成17年3月期連結決算で利益を水増しした上で、同年11月に500億円の資金調達を行ったため。課徴金額は5億円と、昨年4月に課徴金制度を導入して以来最大。東証1部上場企業に対する課徴金勧告は初めて。
監視委が問題視したのは、日興コーデの全額出資子会社である投資会社、日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)と、NPIが全額出資する特定目的会社(SPC)のNPIホールディングス(NPIH)との取引をめぐる会計処理。
NPIは16年8月、NPIHを介在させて東証1部上場のコールセンター大手、ベルシステム24を買収したが、その際NPIとNPIHの取引でNPIには約187億円の利益、NPIHには同額の損失が発生した。本来は損益を相殺しなければならないのに、日興コーデはNPIHを連結決算の対象から外してNPIの利益だけを連結決算に反映、利益を水増したという。
東京証券取引所の西室泰三社長は19日の記者会見で、「極めて残念で遺憾。上昇気流に乗ってきた株式相場に否定的なインパクトを与えた」と強く批判した。日興コーデ株は上場廃止基準に該当する可能性があるとして18日付で監理ポストに割り当てられたが、西室社長は「監理ポスト割り当てが上場廃止に直結するわけではない。(同社には)徹底的な情報開示をしてほしい」と述べた。