今週のTOKYO HEADLINE
vol.287
(2006.12/25-2007.01/07)
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Sports vol.287

青島健太的体魂
YEAR END SPECIAL

1.WBCにSHINJO引退、怪物・松坂のメジャー移籍…
フタを開ければ「プロ野球イヤー」だった2006年

 トリノ五輪とサッカーW杯にはさまれてのWBCやプロ野球の開幕は、きっと淋しいものになるんだろうなーと思っていた。
 ところがどっこい、そんな心配を見事に吹き飛ばし、野球熱を再燃させたのがWBCでの優勝である。予選リーグで2度韓国に負け、審判の不可解な判定もあり、絶体絶命の状況だった。ところが、そこからの大逆転劇。ダイ・ハードな(なかなか死なない)ストーリーが、野球ファンを魅了した。
 その後に開幕したプロ野球。WBCの激戦を戦い抜いた日本代表はことごとく疲労と故障に悩まされ、調子を上げてくるのに時間がかかったが、そんな中で日本中の関心と注目を一気に集めたのが新庄剛志だった。しかも、開幕早々の引退宣言。その言動に半信半疑のファンが新庄を見にスタンドを埋めたが、辞めるにはもったいないプレーでその声援にこたえた。
 終わってみれば、北海道日本ハムファイターズが日本一に。札幌に移って3年目での優勝は、チームにとってはもちろん、地域密着を唱えるプロ野球界全体にとっても、極めて明るいニュースとなった。
 アメリカ・メジャーリーグでは、去年の井口資仁に続き、今年もカーディナルスの田口壮が渋い活躍で世界一に貢献したが、メジャーの話題を一気にかっさらっていったのは、レッドソックスへの移籍が決まった松坂大輔だ。松坂獲得のために、総額100億円を超える資金が投入された。
 のちに振り返った時に、今年2006年をもって時代が変わったという年にまちがいなくなるだろう。
 野茂英雄が架けたメジャーリーグへの橋。受け入れる球団も、当初は日本の選手たちの実力をはかりかねていた。その後、佐々木主浩や長谷川滋利、イチローや松井秀喜らが渡り、着々とその評価は定着していった。そして松坂大輔をめぐる争奪戦。
 WBCのMVPが史上最高額でメジャーへ渡る。日本の世界一が、メジャーへの橋をさらに大きく確かなものにしたということは、うれしくもあり皮肉なことでもある。
(青島健太)

2.荒川静香、トリノ五輪で金メダル

 日の丸飛行隊にモーグル上村にスピードスケート加藤条治…。
 数多くの実力派選手を抱え、日本選手団のメダルラッシュが期待されたトリノ冬季五輪は、大方の予想に反して「メダル0」のまま終盤に突入していた。
 日本中に重苦しいムードが漂う中、大仕事をやってのけたのは“最後の希望”女子フィギュアの荒川静香だった。
 SP3位で迎えたフリープログラム。五輪後にプロ転向を決めていた荒川は「トゥーランドット」が流れる中、競技生活の集大成となる最高の演技を見せた。「スケート人生の中で最高の舞台にしたい」と臨み、宣言通りノーミスでプログラムを終了。日本はおろか、アジアとしても初めて、五輪フィギュアで金メダルを獲得した。
 この時、演技の中で荒川が取り入れた「イナバウアー」は、流行語大賞に選ばれるほどの国民的話題に。しまいには身体を反らせる動物が「イナバウアー動物発見!」ともてはやされたりと、社会現象を巻き起こしたことも記憶に新しい。

3.ドイツW杯はイタリアが優勝

 4年に1度のサッカーの祭典で、圧倒的な優勝候補になったのは、世界的スーパースターを擁するブラジル。しかし今大会限りで引退が決まっていたジダンを中心とするフランスがカナリア軍団の野望を打ち砕き、ブラジルは「8強」で姿を消した。ブラジル撃破で勢いをつけたフランスは、準決勝でポルトガルにも勝利。開催国ドイツを破ったイタリアと雌雄を決することになった。
 決勝戦は前半7分、ジダンがPKを決めて先制。しかしその後、マテラッツィがヘッドで同点に持ち込むと、90分で決着がつかず延長戦に突入した。ここで現役ラストゲームのジダンが、挑発したマテラッツィに頭突きを見舞って一発退場。フランスは思わぬ形で英雄を失った。そのままゲームはPK戦に突入し、きっちり5人全員がゴールを決めたイタリアが4度目のW杯優勝を果たした。
 日本代表はグループリーグ突破が目標だったものの、オーストラリア戦で逆転負けを喫するなど2敗1分という厳しい結果に終わり、早々とドイツを後にした。

4.皇帝シューマッハーが現役引退

 7度の年間タイトルを獲得した最速皇帝ミハエル・シューマッハーが、F1ドライバー生活を終えた。シューマッハーは9月のイタリアGP終了後、「いつか、この日が来ることは分かっていた」と今シーズン限りの現役引退を発表した。引退発表後の中国GPで優勝したシューマッハーは、今シーズン初めて昨季王者フェルナンド・アロンソを抜き首位に浮上。年間王者奪回まであと一歩に迫った。
 20周年で一旦終了する鈴鹿サーキットでの日本GPは、クライマックス直前まで「シューマッハーのための鈴鹿」となった。決勝ではトップを快走し、勝てば8度目の王座が限りなく近づくレースで、抜群の信頼性を誇っていたフェラーリのマシンが突如としてストップ。これによりシューマッハーはリタイアを余儀なくされ、ブラジルGPを残して「チャンピオン争いは終わった」と敗北宣言した。最終戦のブラジルGPでもタイヤがパンクするトラブルが発生し、4位に終わったシューマッハー。それでも最後まで皇帝は素晴らしい走りで存在感を示し、余力を残したままヘルメットを置いた。

5.ディープが凱旋門賞で失格に

 日本の現役最強馬ディープインパクトが、世界最高峰のレース・凱旋門賞に挑んだ。圧倒的な一番人気でレースに臨んだディープは、最後の直線で先頭に立ったものの2頭に抜かれて3着。レース後にはフランス競馬で禁止されている薬物(イプラトロピウム)が検出され、失格処分を受けてしまった。その直後に、ディープの06年限りの現役引退と種牡馬入りが発表。総額51億円のシンジケートが競馬ファンの度肝を抜いたが、鞍上の武豊が希望していた来年の凱旋門賞でのリベンジは夢と消えた。

6.オシムジャパンついに始動

 4年間のジーコジャパンが終わりを告げ、ジェフ千葉を強豪に育て上げたイビチャ・オシム氏が日本代表の新監督に就任した。オシムジャパンは「走るサッカー」をテーマに掲げ、FWの巻や我那覇などフレッシュなメンバーを数多く起用。選手選考だけでなく、「古い井戸を使いながら、新しい井戸を掘ればいい」など、独特の「オシム語録」も話題を集めた。今年は国内組中心の編成となったが、アジア杯も控える来年は、海外組も入った“第二段階”のオシムジャパンに期待だ。

7.「ハンカチ王子」が大ブレーク

 久しぶりに、夏の甲子園が日本中を感動させた。早実と駒大苫小牧の決勝戦は、早実・斎藤佑樹と駒大苫小牧・田中将大の両エースが好投。延長15回の末、1−1で37年ぶりとなる引き分け再試合になった。その翌日に行われた再試合も斉藤、田中の投げ合いになり、早実が4−3で勝利。見事に栄冠を手にした。この時、斎藤がマウンドで使用していた青いハンカチが注目され、「ハンカチ王子」なるニックネームも誕生。甲子園を大いに沸かせた斎藤は早大に進学、田中は楽天に入団した。

8.セルティック中村俊輔、欧州CL16強入り

 失意のドイツW杯を終えたセルティック(スコットランド)の中村俊輔が、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の舞台で輝きを放った。11月21日のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)戦で、中村は見事なFKを決めチームの勝利に貢献。この結果により、CL決勝トーナメント進出という日本人初の快挙を達成した。来年2月に始まるトーナメント初戦は、CL優勝6度を誇るACミラン(イタリア)に決定。もし8強入り以上という結果を残せば、07年はさらに上位に食い込む!?

9.亀田興毅がWBA世界ライトフライ級王者に

 ボクシングの亀田親子が、今年はなにかと話題を振りまいた。8月には長男・興毅がランダエタと初の世界戦を行い、ダウンを喫しながらもWBA世界ライトフライ級ベルトを奪取。しかしこの判定が問題となり、ワイドショーで父・史郎氏が大バトルを繰り広げるなどリング外でも「亀田家」の動向は大きな話題になった。20日に興毅はランダエタと初防衛戦を行い、今度は文句なしの3−0判定勝利。おなじみの勝利の雄叫び「どんなもんじゃ〜い!」を有明コロシアムに響き渡らせた。

10.日本で世界バスケ開催。スペインが優勝

 24の国・地域が参加し、バスケットボール世界一を決める「世界バスケ」が、8月19日から9月3日まで日本で初開催された。優勝候補はレブロン・ジェームズやドウェイン・ウェイド、カーメロ・アンソニーら、新世代のスター選手が集まった米国ドリームチームだったが、準決勝でギリシャに敗退。波乱の大会は“無敵艦隊”スペインが初優勝する結果となった。4度目の世界バスケ挑戦となった開催国の日本は、1勝4敗でB組5位。悲願の決勝トーナメント進出はならなかった。


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