
vol.292
Windows Vista発売開始 今後のMSにも注目
米マイクロソフト(MS)の新基本ソフト(OS)「Windows Vista」が30日、時差により世界に先がけて日本で発売された。現行のWindows XPが本格的なネット時代の幕開けを告げるOSだったのに対し、VistaはAV(音響・映像)機能を強化するなど娯楽性に富む。パソコンメーカー各社もVista対応機を一斉発売するなど関係業界の期待は高い。
MS日本法人のダレン・ヒューストン社長が同日、東京都内で記者会見し、45種類のVista向け新サービスを発表。特にレーベルゲート(東京)やHMVジャパン(同)などと組んで音楽配信ビジネスを強化していく計画を明らかにした。携帯音楽プレーヤー「iPod」などを武器に先行する米アップルを追撃する。
Vistaは、これまでのWindowsシリーズのような爆発力はない。かつての輝きが失われるなか、早くも、“Vista後”のMSの経営戦略に注目が集まっている。
「パソコンはすでに生活必需品。かつてのような反応がないのは仕方がない」
都内の家電量販店で30日未明に行われた発売イベントに参加したMS日本法人の佐分利ユージン裕・執行役は、こうもらした。新機能を満載したVistaの開発にかかった期間は実に5年。だが、米グーグルなどネット企業がワープロソフトなどをオンラインで提供し始めるなか、次期OSの開発には5年もかけるわけにはいかない。しかも、開発期間を短縮し、マイナーな仕様変更だけにとどまれば、利用者の買い替えを促すことは到底できないというジレンマを抱えている。 このため、業界では、「MSがWindowsと決別する」との声が高まっている。オンラインで新機能を提供し、既存OSをバージョンアップしていくというビジネスモデルだ。これならスピーディーな展開が可能になるからだ。 (ビジネスアイ)