
vol.292
周防監督、外国人記者にも
日本の裁判制度を熱く語る! 映画のPRは?
1日、公開中の映画『それでもボクはやってない』の周防正行監督と主演俳優の加瀬亮が、日本外国特派員協会の記者会見に出席。周防監督は、リチャード・ギア主演でハリウッドリメイクまでされた『Shall we ダンス?』の監督、そして加瀬は現在アメリカの賞レースで注目を集めるクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』の俳優。実はまだ本作『それでもボクは―』の海外公開は決定していない。それにもかかわらず、特派員協会に招待されて会見が行われるのだから、海外メディアの注目度もかなり高いようだ。すでにN.Y.や英国のオックスフォード大学で上映会を行っている監督は「日本の裁判制度の笑ってしまうほどおかしいところを描きたかったのですが、実際外国で観客に笑われると、何だか日本が笑われているようで…」と苦笑い。
本作は加瀬演じる主人公の青年が、痴漢冤罪の裁判を闘う姿を通して、日本の裁判制度の在りようを問う社会派作品。「最後まで裁判批判を貫いた」と語る監督に外国人記者から「(身の危険などを感じて)弁護団は用意してますか」との質問が。これには周防監督も笑いながら「いません(笑)。でも今回この映画に多くの弁護士さんが共感してくださって、日本弁護士連合会が試写会まで開いてくれたんです。なので僕に何かあったら、彼らが僕の弁護団になってくれるだろうと信じてます(笑)」。自身も冤罪事件を多数取材してきたジャーナリストの江川昭子氏から再審請求が棄却された裁判について意見を求められると、監督は興奮した口調で、本作の源となった“日本の裁判制度への憤り”を熱い口調で語り、はっと「感情的にならないようにしているんですけど…」と照れ笑い。作品を見た男性参加者から「帰りの電車が怖い。もし疑われたらどうしたら」とアドバイスを求められる一幕も。映画の会見でありながら、作品のことよりも裁判制度や、冤罪が生まれる社会状況などについての質問が多く上がった今回の会見。これも、周防監督が映画に込めた思いが伝わった証拠に違いない。
殺到する日本人・外国人記者のカメラに周防監督と加瀬亮もちょっとビックリ。『硫黄島からの手紙』のノミネートについて、というタイムリーな質問に加瀬亮は「イーストウッド監督と仕事をできたことがすでにご褒美なので、これ以上もらってもマヒして分からないかも…」とはにかんだ。監督については「周防監督のように、撮りたいものがはっきり決まっている人が作るなら、どんなメディアになってもおもしろいはず」と、その姿勢を評価しているようだ。