
vol.296
アカデミー賞は『ディパーテッド』が4冠
第79回米アカデミー賞の授賞式が25日夜(日本時間26日)、ハリウッドのコダックシアターで行われ、マーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』が作品賞と監督賞を含む4部門で受賞した。スコセッシ監督は7回目のノミネートで初のアカデミー賞受賞となった。主演男優賞は『ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド(原題)』のフォレスト・ウィテカー、主演女優賞は『クィーン』のへレン・ミレンが受賞した。
役所広司と菊地凛子が出演し、作品賞にノミネートされていた『バベル』は作曲賞、渡辺謙らが出演した『硫黄島からの手紙』(クリント・イーストウッド監督)は音響編集賞とそれぞれ1部門の受賞にとどまった。
今年のアカデミー賞の授賞式は、ハリウッドの民主党寄りの政治風土も手伝い、さまざまな形で環境問題への言及が目立った。
アル・ゴア前副大統領が地球温暖化防止への取り組みを訴えるドキュメンタリー映画『不都合な真実」(デイビス・グッゲンハイム監督)は、長編ドキュメンタリー賞と主題歌賞を受賞。監督とともに授賞式の壇上に登ったゴア氏が、「地球温暖化は政治問題ではなく、倫理の問題だ」と訴えた。
「政治問題ではない」とゴア氏は強調するものの、実際には環境問題が極めて党派的な問題であり続けている。2000年の大統領選で接戦を演じた相手のブッシュ現大統領は、就任後京都議定書から離脱。『不都合な真実』に対しても、根強い反発が保守層に残り、米国では一部で上映反対の動きなども起きている。しかし、リベラル層が大半を占めるハリウッドでは、ゴア氏の主張にまゆをひそめる向きはほとんど見られず、逆に、受賞インタビューで、本人が何度も否定している次期大統領選への出馬を期待する質問すら飛び出すほどだった。