
vol.298
北朝鮮への金融制裁部分解除へ
[北京 ロイター]国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は14日、北朝鮮が2月の6カ国協議での合意にコミットしているが、先に金融制裁を解除するよう求めていることを明らかにした。
訪朝を終えたエルバラダイ事務局長は北京で、北朝鮮訪問が「非常に有益だった」とし、関係正常化に向けての道を開いたと述べた。
ただ事務局長は、北朝鮮側の核交渉責任者とは協議できなかった。
事務局長は「北朝鮮は、6カ国協議の参加国がそれぞれの責務を履行すれば、2月13日の合意を履行する用意があることを明らかにした」と指摘。さらに「北朝鮮はマカオの銀行に対する制裁の解除を待っていることを言及した」と述べた。
寧辺(ヨンビョン)核施設の閉鎖については「北朝鮮は、金融制裁が解除され次第(閉鎖する)用意があり可能だ、と述べた」とした。
一方、米財務省は14日、北朝鮮関連資金が凍結されているマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行について、米金融機関との取引を正式に禁止すると発表した。
これにより、北朝鮮による凍結資産の請求に道が開かれる。
財務省は言及しなかったが、米銀とBDAとの取引禁止は、北朝鮮との核交渉に関連している。北朝鮮は資産凍結解除を核交渉の条件としていた。
レビー財務次官(テロ・金融情報担当)は記者会見で、18カ月間に及んだ調査の結果、BDAが「とりわけ北朝鮮関連の顧客による違法行為に目をつぶろうとしている」ことが明らかになったとし、このことがBDAに対する財務省の措置の背後にあると説明した。
次官は「今回の措置は30日で発効し、すべての米金融機関に対してBDAのコルレス口座の維持を禁じ、BDAが直接・間接的に米金融システムにアクセスすることを防ぐ」と述べた。
財務省は、北朝鮮が偽造や麻薬密売、資金洗浄などで得た資金を受け入れてきたとの疑いでBDAを調査してきたとし、調査の結果をマカオ当局に報告し、マカオ当局は資金洗浄対策(AML)規制を強化するとした。
財務省が米銀とBDAの取引を禁止したことにより、北朝鮮が核交渉の条件として求めてきた、推定800万―1200万ドルの一部凍結資産の解除について、マカオ当局が決定する道が開かれる。
レビー財務次官は、解除される可能性のある凍結資産の額について特定することを避け、凍結資産の解除は「マカオ当局の判断による」とした。
また、BDAが事業方法を変えるための改善措置をとった場合、米銀とBDAの取引禁止を解除する可能性を示唆した。