
vol.298
大型再編劇 大丸・松坂屋が経営統合で高島屋を抜き業界トップに
百貨店業界4位の大丸と8位の松坂屋ホールディングス(HD)は14日、9月3日に共同持ち株会社を設立し経営統合すると発表した。両社の2006年2月期の連結売上高を合算すると、約1兆1665億円に達し、トップの高島屋を抜いて業界首位に躍り出る。 関西が地盤の大丸と東海地方に強みを持つ松坂屋は、今回の経営統合により営業基盤を強化し、両社共通の課題である首都圏での事業強化を図る。
共同持ち株会社「大丸・松坂屋ホールディングス(仮称)」を設立し、本社は東京・銀座に置く。社長兼最高経営責任者(CEO)には大丸の奥田務会長(67)が、会長には松坂屋HDの岡田邦彦会長(71)がそれぞれ就任する。持ち株会社の傘下に事業会社となる大丸と松坂屋が入り、それぞれのブランドで営業する。
両社は今後、統合準備委員会や分科会を設置し、2008年度から3カ年の中期経営計画を策定する。計画最終年度となる10年度に連結売上高で1兆2500億円、営業利益で600億円を目指す。このほか、両社のスーパーマーケット事業についても統合を検討する方針だ。
百貨店再編の序章
大丸と松坂屋の経営統合は、生き残りをかけた百貨店再編の序章といえる。両社は団結して手薄な首都圏攻略に打って出る構え。「百貨店の数がニーズ以上にあるから売り上げが減少している」。三越の石塚邦雄社長は、危機感を募らせている。
百貨店業界は、少子高齢化による市場の縮小に加え、ショッピングセンター(SC)など大規模商業施設や専門店の攻勢で、2006年まで9年連続で既存店売上高が前年を割り込んだ。立地と老舗のブランド力に依存した販売手法はもはや限界に達しており、垣根を越えた生存競争も激化の一途だ。
こうしたなか各社が改めて重視しているのが首都圏だ。全国百貨店売上高の4分の1を占めているだけでなく、「いいものならばお金を惜しまない傾向が特に鮮明になるなど、消費の東京一極集中が進んでいる」(百貨店関係者)ためだ。各社とも首都圏の店舗の増床や改装を急ピッチで進めている。銀座地区では、松屋、西武百貨店が改装を終え、三越、プランタンなどが改装中。新宿地区では、高島屋、伊勢丹、京王百貨店も売り場刷新を進める。
(ビジネスアイ)