
vol.298
大型再編劇 イオンとダイエーが提携し国内最大の流通グループへ
流通大手のイオンと経営再建中のダイエー、丸紅の3社は、イオンとダイエーの資本・業務提携を正式に発表した。丸紅が持つダイエー株約45%のうち、発行済み株式の15%をイオンに譲渡、イオンと丸紅が100億円程度を相互に出資して3社の関係を強化する。丸紅には100億円超の売却益が出るもよう。提携で、イオンは連結売上高約6兆円と、国内最大の流通グループに躍進する。
合意内容によれば、ダイエーはイオンから、取締役2人、監査役1人を受け入れる。イオンはダイエー株を462億円で買い取るほか、ダイエーから傘下の食品スーパー、マルエツ株の20%を165億円で取得する。
両社は、自社で企画するプライベートブランド(PB)商品の相互販売や共同開発も検討する。仕入れなど共同で取り組む商品の売り上げは初年度で3000億円を目指す。イオンの店舗後方業務を共同で利用するほか、システム構築のノウハウを共有化。資材の共同購入も進める。
ダイエーとイオンは、消費不況にあえぐ流通業界で「勝者連合」を目指す。物流網などの相互活用で大きなコスト削減が期待でき、イオンは目標とする流通業界における「世界売上高10傑」にも近づく。ただ、関連会社の株式売却など、詰め切れなかった課題もあり、前途には不透明感も漂う。ダイエー内部には「昔は“格が下”だったイオンと組むことに対するわだかまり」(ダイエー幹部)が残っているとされる。
また、イオンのアキレス腱とされるのが巨額の負債だ。連結有利子負債は1兆円(18年8月末)を超え、昨年10月に約2000億円の増資に踏み切った。そのうち約300億円は今回の出資に充てる計画だったが、ダイエーとマルエツの株式取得に要した金額は約620億円となり、財務リスクの拡大が懸念される。