今週のTOKYO HEADLINE
vol.298
(2007.03/19-03/25)
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Showbiz vol.298

東京スカパラダイスオーケストラ特集
対談 谷中敦×茂木欣一

明るくてカッコいい―
そういう在り方を追求したい

日本が誇るライブバンド、スカパラこと東京スカパラダイスオーケストラが、音楽で世界中にハピネスを振りまいている。昨年、7月に日比谷野外音楽堂からツアーをスタートし、半年間をかけて70本以上のライブを敢行。日本、ベトナム、フランス、スペイン、ドイツ、スイス、ベルギー、オランダと、8カ国を巡り、今年1月14日に行われたさいたまスーパーアリーナでのファイナルまで駆け抜けた。どの都市でもどの会場でも、観客は満面の笑顔で踊り、叫び、歓声を挙げた。音楽、そして言語やカルチャーという壁を乗り越えて誰でも踊らせてしまう “トーキョー・スカ”サウンドをプレーしてきた彼らは、今年でメジャーデビュー18年目に突入。しかし、彼らの心意気はスタート時とまったく変わらないどころか、よりパワフルに進化。今もなお新しいオーディエンスを巻き込み、モンスターバンドとして君臨している。バンドへの注目度もますます高くなっているなかで、この21日、1998年にカッティング・エッジにレーベル移籍してからの10年を凝縮したベストアルバム『BEST OF TOKYO SKA 1998-2007』がリリースされる。そしてロードムービー『SMILE〜人が人を愛する旅〜』も31日より全国公開。再び話題を独占することは間違いないスカパラの魅力を谷中敦と茂木欣一から探る!

Atsushi Yanaka bariton sax
失敗しながらも前に進んでいく背中を見せられたらいい
Kin-ichi Motegi drums
スカパラの音楽は笑顔と幸せをもたらすと思ってる

TOKYOHEADLINE(以下、TH)怒涛のツアーのファイナルを1月14日にさいたまスーパーアリーナで迎えられましたが、その後は、どのように過ごされていたんですか?

谷中(以後Y):とくに何をするわけでもなく過ごしてました(笑)。休みがあったとしても、南の島に行こうとかいうのはないですし。もともと、夜眠られればいいぐらいなんで。温泉とかよりも自分の家の風呂がいいし(笑)。

茂木(以下、M):俺は、2週間ぐらい南の島に行きたいと思いましたけど(笑)。でも、数日後にはベスト盤に入れる作品をレコーディングしてました。スカパラってせっかちで、どんどん次へ次へって感じ。ファイナルのステージでも、パーカッションの大森はじめが「ファイナルだけど2007年1本目のライブです!」みたいなことをいったのが可笑しかった。「ものすごいやる気だぜ」って。

TH:会場にいた人はとてもスカパラらしいと思ったのでは? 茂木さんの「終わらない曲順を考えたいよ!」っていうのも、意気込みを感じましたし。

Y:それがこのベスト盤『BEST OF TOKYO SKA 1998-2007』なんだよね。責任選曲者・茂木欣一(笑)。

M:あの時はほぼ完成していたけど、あと1カ所みたいなツメの段階だった。あのファイナルをやっていて「終わらない曲順ができた」って感覚は持てたね。すごかったもの、スーパーアリーナがあんなになっちゃうんだからさ。

Y:ライブハウスみたいだったよね。本当に後ろのほうまで、みんなが笑って踊ってっていうのはすごい光景だった。こっちも、明るい曲を演奏してるんだけど、感動して泣いちゃうみたいな雰囲気で。

M:スチャダラパーのANIが来てたんだけどその光景を見てウルッときたって(笑)。そのくらいすごかったんだ。だから、このベスト盤には、あの夜の終わりたくないっていう気持ちが反映されてるというか、終わりたくないからアルバムを作った気がしてる。

TH:選曲は歌モノ中心ですね。

Y:ずっと前から、シングル曲だとかそのカップリングの曲を集めたものを作りたいと思っていたんだよね。アルバムには収録されてない曲もあるから。それに加えて、田島貴男の『めくれたオレンジ』から甲本ヒロトさんの『星降る夜に』まで豪華な歌モノが増えてきたから歌モノベストみたいなものを作れればっていう気持ちもあったし。ただ、それだとスカパラの真髄が伝わらないんじゃない、インスト、歌詞のない曲も入れようって言い出したのが欣ちゃんだった。

M:納得していたら何も言わなかったと思うんだけど、ボーカルものだけだとスカパラじゃないなっていう気持ちが沸いてきて。それでちょっと並べさせてもらっていい?みたいな。

Y:自発的だったね。メンバーも「ああ、もうこの人やるんだな」って感じだった(笑)。

TH:感覚として、以前と比べてボーカル曲が増えているように感じますが…。

Y:そんなことはないんだけれど。ただ、3部作あり、合唱する曲が増えたりっていうのがあるからそう感じるんじゃないかな。そういえばね、ヨーロッパに行くと、歌詞がない曲でもみんな歌うんですよ。ラ・ラ・ラで。

M:それで正解! スカパラってそんな感じ。鼻歌で出てくるものが、歌詞でもいいし、ホーンのメロディーでもいい。それが普通なんだよってことを、このベスト盤でも提示できればいいね。

Y:インストの聞かれ方も、歌モノの在り方によって変わってくる。目が行かない曲にも目が行くようになるからね。そういう意味で、歌詞のある曲は特別なものでもなんでもなくて、もうスカパラの体の一部になってる。

TH:選曲についてですが、移籍してからとはいえ、膨大な楽曲があるなかで、どうやって決めたのですか?

M: iPodに移籍後の曲、確か100曲以上あったと思うけど、全部入れて聞きました。ちょうど北海道を回っているときで移動が長いから考える時間があったんですよ。

Y:曲順もよくできてる。『追憶のライラック』から『Dear My Sister』、その後からの怒涛の流れはすごい。このまま終わらないでほしいってところで、『世界地図』で過去と未来が1つになる。あるいは、これが終わるころに『DOWN BEAT STOMP』(DISC1の1曲目)のイントロが聞こえてくる(笑)。

M:それは一番の目標だったね。CDだと26曲が1枚にならなくて2枚にならざるを得ないけれど、今はみんなiPodとかで持ち歩くから、そうなるかな、なんて思惑もある。

Y:実はさ、ベスト盤に入らなかった曲を集めたベスト盤も作りたくなってるんだ、もう。

M:俺もそう!映画(2006年のツアーを追ったロードムービー『SMILE〜人が人を愛する旅〜』、3月31日全国公開。牧野耕一監督)を見て、同じタイトルで裏ベストを作りたくなったよ。今回やってみて思ったんだけど、俺はプレイヤーからリスナーっていうモード切り替えが得意みたい。だから、(選曲)できたのかもしれない。選んだのは、歌モノに加えて、スカパラの入り口になってほしいと思う曲だけど、ベスト盤って考える人の数だけあって、全員が満足するものなんてないから「なぜあの曲が入ってないんですか」、とかあると思う(笑)。でも、俺だったらコレっていうのがこれなんだ。

Y:俺はこの選曲に完全に満足してる。入れてほしいなと思ってた曲がちゃんと選ばれているのを見ると、欣ちゃんがメンバーそれぞれの気持ちだとか、曲に対する思いを記憶してることがよく分かるよ。

M:そんなこと言われると、心を見られているみたいでドキドキしちゃうね(笑)。メンバーのなんてことない一言の積み重ねとか、(ツアーで)取り上げる曲とかからも何を入れるべきかってことが自然と分かったところもあるんだよ。あとは、この作曲者はこの曲が代表曲っていうのをチョイスしたつもり。例えば、北原さんだったら『Natty Parade』。ああいった明るい旋律を生み出す才能って本当に尊敬する。哀愁って胸にきやすいから分かりやすいけど、明るい旋律は不確定なものというか、明るいとただのバカバカしい旋律なんじゃないかって思っちゃったりして、判断基準がなかったりするからね。

Y:詞もそう。悲しい言葉を使うととても詞らしくなる。でも、明るい言葉だけで書くのはすごく難しいんだ。だからこそやりがいがあると思っていて、最近は注意して書くようにしているんだけどね。……なんかね、明るくてカッコいい人間っていいじゃない。世の中に背を向けてカッコいいっていうのは当たり前でしょ。そうじゃなくて、明るくてカッコいいっていう在り方を追求したら面白いんじゃないかって。

TH:それは、まさにスカパラの存在のことを言っている気がします。

Y:意識的にやろうとしてるというか、なりたいかな。人って、成長していく過程で悪くないとカッコよくないのかなって悩むところがあると思うんですよ。だから、悪ぶってみたり、不良っぽくみせたり、ワルっぽい服を着てみたりする。破滅的な芸術家にカッコよさを感じてみたりとかね。でも、それを無理してやる必要はないと思うんですよ。

TH:どうしてそう思うんですか?

Y:どうしてっていっても…ずっとそう思ってるんだよね。無理して背伸びして本当の自分を見失ったりするのは、すごいもったいないことなんじゃないかなぁ。例えば、表現する人における夭折の美学があったり、人生は“太く短く”か“細く長く”の2種類しかないみたいにインプットされてるのもどうかと思う。“太く長く”があってもいいじゃない。もちろん、最終的にそうなってしまったらしようがないんだけれど、弱い気持ちで真似したくなる人が増えることを考えると、人前に立つ人間としてはそれは良くないって思うんですよ。スカパラは太くやってると思うし、これからもずっと長くやっていければいい。だから、正しすぎなくていい、失敗しながらでも、東京スカパラダイスオーケストラとして前に進んでいく感じの背中を、俺たちを見続けてくれる人たちにずっと見せられたらいいと思ってるんだよね。俺の目標は、この10人でいつまでも“東京スカパラダイスオーケストラ”を続けていくことなんでね。誰かひとり欠けてもダメで、この10人でなきゃいけないんだよね。M:そうだね。『SMILE〜人が人を愛する旅〜』のなかで、ヨーロッパツアーをやっている意義みたいなものを尋ねられたんだけど、スカパラの音楽が世界中に笑顔と幸せをもたらすんだっていう話をした記憶がある。俺、本当にそう思ってますからね。まだ自分たちが行ってない街が心配、早く行かなきゃなんてね思う。谷中さんも言ったけど、刹那的に生きるのもいいけど、人として生まれてくると、えらい幸せな瞬間がいっぱいある。スカパラはそのきっかけになれると思うんですよ。どこかに行ってライブをやってみんなが笑顔になって、それが循環して行くことで、いいニュース、ハッピーな映像を増やしたい。それが『WILD PEACE』(2006年6月発売のアルバムタイトル)なんだって思う。

TH:さて、ベスト盤がリリースされると、フリーライブやDJ活動があったり、映画が公開されて、4月になるともうツアー。今年も走っていく感じですね。

Y:たまには、歩いてるけどね。

M:たまには歩こうよ(笑)。みんなどんどん次に行きたがるから、もう?って感じ。生き急ぐ感じじゃなくて楽しくてたまらないというか、楽しいことが待ってると思ってるからなんだけどね。

BEST OF TOKYO SKA 1998-2007
東京スカパラダイスオーケストラ
cutting edge 3月21日(水)発売 初回限定生産盤[CD2枚組+DVD] 3800円(税込) 通常盤[CD2枚組]3150円(税込)
田島貴男・チバユウスケ・奥田民生・ハナレグミ・Chara・甲本ヒロトをゲストボーカルに迎えた<歌モノ>シリーズも完全収録した2枚組全26曲!!
新曲「WALK BETWEEN RAINDROPS」収録。ドラム茂木欣一による責任選曲!!
初回限定生産盤には、17曲のMusic Video(未発売7曲含む)を収録したDVD付。
ベストアルバム発売記念 フリーライブ開催決定!!
【日時】3月22日(木)14時30分開演 ※ 雨天決行、荒天の場合は中止。
【場所】代々木公園野外ステージ(JR原宿駅徒歩5分/JR渋谷駅徒歩10分)
ライブに関する詳細は右QRコードまたは http://poke.jp/skapara09

“ライブ着うたフル(R)”と“ライブ着うた(R)”がポケメロ JOYSOUNDにてライブ当日配信!!
この日のライブの模様は、SPACE SHOWER TVで、当日22〜23時他でオンエア決定!!(※ライブが中止となった場合は番組を変更致します。)


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