
vol.303
INTERVIEW
2万人動員の「大人計画フェスティバル」の全貌がここに
池津祥子
阿部サダヲ
松尾スズキ率いる“超”人気劇団「大人計画」が、昨年9月、多摩市の廃校になった中学校を舞台に「大人計画フェスティバル」を開催した。いい大人が真剣にドッジボールし、いい大人が先生や生徒に扮して学生気分を味わう。校庭から聞こえる誰かの歌に邪魔されながら落語する。演者も来場者も自分の歳を忘れて学生時代へとトリップした。この世にも“珍しい”いい大人による本気の学園祭の模様を収めたDVD−BOX「大人計画フェスティバル ー今日は珍しく!昨日より珍しく!−」が、4月27日に発売される。汗を飛ばしながらグランドや校内を駆けずり回った、池津祥子と阿部サダヲがゆるりと振り返る。
めちゃくちゃ派遣社員でしたね、ボク――阿部サダヲ
自分の企画がなかったからじゃない(笑)?――池津祥子
――「大人計画フェスティバル」が、とうとう、DVDになってしまいました。"行けなかった人、大混雑で見られなかった人の熱い声に応え"とありますが、お2人はいろいろ見ることができたんですか?
阿部:ほとんど見られなかったですね。当日は、ドッジボールをやったり、グループ魂のライブがあったり、いろんなところに顔を出していたので。リハーサルも…。
池津:顔田(顔彦)くんの手品しか見てないんじゃない?(笑) 私は、体育館はほとんど見てないけど、校舎3階の企画は見られたかな。
――池津さんの教室があったところですね。みんなの憧れ・マドンナ先生になって「課外授業」。
池津:企画を考えるようにいわれて、マドンナ先生と決めたまでは良かったんですけどね……。本番が近づくにつれて緊張してきて、吐きそうになったというか吐きました(笑)。ほとんど、フリートークだったので、そういったものを自分でできるんだろうかって不安になってしまって。それで、自分の初恋の話とかしちゃったりしたし。
阿部:そんなだったの!?
池津:(お客さん)大丈夫だったかなと思います(笑)。そういえば、役者のみんなに私の似顔絵を書いてもらって教室に張ったんですけど、あれは良かったな。みんながどんなふうに私を見ているか分かって。
――阿部さんの作品は、他の方と比べると、すごくかわいらしかったですね。
阿部:…まあ(笑)。
――そういった細かいところも含めて、時間的にも精神的にも、準備も本番もご苦労があったのでは。
阿部:いろんな事件が起こるしね。例えば、誰かのクレヨンがなくなったとか、学校っぽいやつが(笑)。大変だったといえば、実際にやった企画とかじゃなくて時間のやりくりだと思います。スケジュールに空きがあることを知られると大変なことになるんですよ。「アレ? 空いてるね。それなら…」って。
池津:私はマドンナ先生で校内を歩き回ることにしてたからそこまでなかったな。宮藤(官九郎)くんのお化け屋敷には出たけど。そういえば、お化け屋敷にも出てたよね?
阿部:誰か分からないぐらい緑色に塗ってね。ドッジボールもそうだし、井口(昇)さんの“経験シアター”もそうだから…。ホント、めちゃくちゃ派遣社員でしたね、ボク。
池津:自分の企画がなかったから余計に、なんじゃない(笑)?
――企画、出さなかったんですか?
阿部:一応出したんですけどね。アレです、シンクロ。大人計画には『ウォーターボーイズ』に関わっている人がいるんで、できるんじゃないかと思ったんですよ。学校にプールもあったし。でも、それは無理ってことになったので、他の人の企画に乗ることにしたんです。
――企画は出した、と(笑)。話を戻しますが、池津さんの課外授業しかり、お化け屋敷しかり、濃い企画が目白押しでした。ご自身が関わられていないもので、おもしろい、おもしろそうと思うものはなんでしょうか?
阿部:「大人計画フェスティバル」で何よりもおもしろかったのは、松尾さんの疲れ具合(笑)。フェスが始まったときからもう疲れてましたから。企画としては、松尾さんの「ママさんコーラス」。自分が関わっていない松尾さんの作品を見るようなものなんで楽しめましたね。それに、歌っているママさんたちも良かったし。
池津:ママさんの張り切りぶりと松尾さんのぐったり感がいい(笑)
阿部:ママさんたち、すごかったですよね。全く面識がない方に「息子がお世話になってます」なんて声をかけられたりして。あとで聞いたら、一緒にお芝居やったことある人のお母さんだったり、テレビ局のディレクターの奥さんだったりしてね。
――そのほかにも濃い企画がぎっしり。実現しなかった『ウォーターボーイズ』もありますし、今年もまた開催ってことはないのでしょうか。
池津:それはどうかな。やりたい?って聞かれて、やります!って人いるかな…
阿部:(笑)
――本公演『ドブの輝き』も迫ってますしね。この作品はどんなふうになるんでしょうか?
阿部:今回は、松尾さんと宮藤さんが2人で書かれているんで…。どうなるんですかね。井口(昇)さんの映像も入ってくるとは聞いていますが。
池津:とりあえず、稽古場に行かないと分からないって感じですね。この対談が出るころにはたぶん分かっていると思います。
ゴールデンウイークはDVD、その後は下北沢・本多劇場で。これからしばらく大人計画漬けになる人が増えそうだ。

(本紙・酒井紫野)
☆大人計画とは…1988年に『絶妙な関係』で旗揚げ。さまざまなジャンルで活躍する松尾スズキが主宰。「木更津キャッツアイ」などのヒット作を手がけ、脚本家、俳優として活躍する宮藤官九郎を始め、池津祥子、阿部サダヲなど、日本のエンターテインメント界を牽引する人材を輩出している。本公演「ドブの輝き」を、5月10日(木)〜6月3日(日)まで、下北沢本多劇場で展開する。
大人計画フェスティバル ー今日は珍しく!昨日より珍しく!− DVD−BOX
発売:アスミック、販売:角川エンタテインメント 4月27日(金)発売 9240円(税込)
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