
vol.305
INTERVIEW
セリフは全編英語!
日本を舞台にしたハリウッド映画『ドリーム・クルーズ』
木村佳乃
幽霊役もやってみたいと思ったんですけど…(笑)
『蝉しぐれ』や『寝ずの番』など、作品ごとに新たな魅力を見せる女優・木村佳乃。最新作は、『リング0〜バースデイ〜』など、ジャパニーズホラーの先駆者・鶴田法男監督によるハリウッド映画。セリフはほぼ全編英語!
――木村さんはバイリンガルだったんですね。存じませんでした!
「いえ、そんなことはないですよ(笑)。中学校の時に、父の仕事関係で2年半ほど留学しただけなので、単語力は中学生レベルなんです」
――英語のセリフに違和感が無い…。
「相手役のダニエル(・ギリス)がネイティブスピーカーだったこともすごく助けられたと思います。発音をみてくれるダイアログコーチもついてくれたので、心強かったです。現場でもずっと英語を使っていましたしね」
――スタッフも日本人ですよね。
「ダニエルは単身で撮影に参加していたので、日本語しか聞こえないと不安になると思うんですよね。ですから現場でも彼がいるときには必ず英語を使っていたんですよ。おかげで私も練習にもなりました。彼も自分で日本語を覚えようとしていて、私もいろいろ教えましたよ。一番気に入ったのは“オタク”と“アキバ”だったみたい(笑)。でも撮影で役に立つ言葉もちゃんと教えてあげました(笑)」
――撮影の専門用語を理解している共演者がいたのは助かったでしょうね。
「専門用語ってやはりどこでもあるんですよね。例えばアメリカでは弧を描いて歩くのを“バナナ”って呼ぶんです。初めて“バナナで歩いて来てくれ”と言われたときには“バナナどこにあったっけ?”って(笑)」
――言葉が分からないと撮影でもコミュニケーションが難しそうですね。
「確かに、ダニエルと監督も、最初のうちは通訳を通して意思を伝え合うのが難しそうでしたけど、すぐにコミュニケーションをとれるようになっていました。私にも経験がありますが、言葉が通じないと余計に相手が何を言っているのか注意して見るようになるんです。言葉で伝えられない分、丁寧に意思を通じ合わせようとするんです。監督とダニエルも、あるときからグッと距離が縮まったようでした」
――今回はホラー作品。女優のなかには敬遠する人も多いジャンルですが。
「今回の作品は単にホラーというだけでなく、ストーリーもサスペンスフルでしっかりしているし、海外の俳優さんと一緒に英語でお芝居ができるというのも魅力でした」
――ヒロイン役と幽霊役、本当はどちらを演じてみたい?
「以前は幽霊役もやってみたいと思ってたんです(笑)。でも今回、蜷川みほさんのお芝居を見て、どんなに大変かということを改めて知りました。演技力はもちろん体力や忍耐力も相当必要なんですよ。甘かったです、私(笑)」
――ホラー映画で怖がるタイプ?
「けっこう怖がります(笑)。『シックスセンス』を新宿の映画館に見にいったんですけど、ミーシャ・バートンが出てきたとき“ギャー”って映画館中に響き渡る声で絶叫しましたからね。でも怖い映画は好きなんです(笑)」
――幽霊役ではなくても、撮影でキツイことはあったのでは?
「後半にダニエルと一緒に“ナオミ”から逃げ回る場面があるんですけど、女性に比べて男性って思いっきり転んだり、体を使って演じるのが好きなんですね。でも私は怖がりのうえに痛がりで(笑)。なので、リハーサルで何度も怖い目に遭っていると自然に演技が小さくなってしまうような気がして、“リアルに驚きたいので、本番で思いっきりやってください”とお願いしたんですよ。そしたら本当に本番で思いっきり怖い目に…(笑)」
――スタントなしの水中シーンは臨場感満点でした!
「水をいっぱい飲みましたよ(笑)。でも子役の子も頑張っているのに、泣き言は言っていられませんから。それに、ホラー映画って演技だけでなく体力的なことも要求されるので共演者やスタッフがとても気を配ってくれるんです(笑)」
――北野武監督最新作『監督・ばんざい』や三池崇史監督作『SUKIYAKI WESTERN DJANGO』など、ユニークな作品が公開を控えている。作品選びを相当こだわっているのでは?
「もちろん、脚本も監督も大事ですし、女優としてその仕事をすることでどういう影響を生むのかということも考えますが、縁ってあると思うんですよ。とてもいい役だから演じたいと思っても私が演じないほうがいい場合もありますし。古い言い方をすれば“ご縁”というか(笑)。だから私、すごくやりたい役を他の人が演じることになっても、自然に受け止められるんです。その分、自分のところに来た役にはそのときの自分をすべて注ぐことができますね」
――最後に本作のオススメ点をお願いします!
「エンターテインメント感満載で、後味も意外といいので、ぜひデートでオススメです。多少緊張感のある2人が“キャー”とかってしがみついたりして…古いですかね(笑)?」

(本紙・秋吉布由子)
| 「実は今、料理教室に通ってるんですが、すごく楽しいんです! 先生のお宅で一般の方たちと一緒に教えてもらっているんですけど、子育てとかご主人の話とか、すごくおもしろくて(笑)。やはり違う業種の人たちと接するのって楽しいです。視野も広がりますし、学ぶこともすごく多い」。単に“美しい女優さん”というくくりでは表せない魅力を持つ木村佳乃。ちなみに最近マスターした料理は「菜の花と明太子のクリームスパゲティー」
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