
vol.306
仏大統領にサルコジ氏 改革路線を推進
[パリ ロイター]6日投票のフランス大統領選・決選投票は即日開票され、保守系与党の国民運動連合(UMP)党首のニコラ・サルコジ前内相(52)が社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル元家庭担当相(53)を制し、当選した。
パリ市内には多数のサルコジ氏支持者らが繰り出し、同氏の勝利を祝福したが、市内の一部や郊外では、左派支持者らと警官隊との間で小競り合いも起きた。
サルコジ氏は支持者らを前に勝利宣言を行い、改革路線を進めると述べ、賃金や雇用問題対策のほか、フランスのモラル向上を訴えた。
同氏は「フランス国民は変革を選んだ。私は国民からそれを負託され、また、それが国民にとって必要であるため、この改革を進める。しかし、それは国民全員とともに推進する」と述べた。
開票率ほぼ100%の時点でサルコジ氏の得票率は53.1%、ロワイヤル氏は46.9%。投票率は約85%と1981年以来の高い水準となった。
サルコジ氏の勝利でフランスは12年間続いた保守政権が継続するが、一つの時代の区切りをつけるものになる。国連安全保障理事会の常任理事国であるフランスの大統領を2期12年務めたシラク氏は引退する。
ハンガリー移民の息子であるサルコジ氏は、法定週35時間労働制の緩和、残業にかかる税負担の軽減、過剰な公共サービスの縮小などを公約に掲げ、今回の大統領選では雇用問題対策を前面に打ち出した。
外交面では、欧州の結束強化と米国との友好関係の維持を強調した。
今回の選挙で有権者は、妥協しないサルコジ氏のほうが社会党のロワイヤル候補よりも、経済政策面でより説得力がある有能な指導者であるとして選出した。
サルコジ氏は5月16日に正式に大統領に就任し、閣僚を指名した上で、6月の国民議会(下院)選挙に臨む。
新政権の首相就任が有力視されているフィロン元労働相は、国内テレビに対し「サルコジ政権の布陣は、中道のほか、左派の男女の閣僚も含まれる」と述べた。
各地で抗議行動勃発
[パリ ロイター]サルコジ氏が当選したことを受け、これに反発する若者らが6日、パリとリヨンで警官隊と衝突した。パリでは2000人規模の抗議集団に向かって治安部隊が催涙ガスを発射した。
パリのバスティーユ広場では、覆面をした若者の集団が警官隊に向かってビンや石などを投げつけ、警官隊は催涙ガスや放水で応戦した。警察によると、警官4人とその他1人が負傷した。
抗議活動を行った集団は「どこにでも警官がいる、正義はどこにもない」と大声で繰り返し、スクーターに放火するなどしたという。
リヨンでは中心部の広場で抗議集団が警官と小競り合いを起こし、警官隊は催涙弾を発射した。
7日も抗議行動は収まらず、目撃情報によると、パリでは夜、300〜400人の若者が店の窓を割ったり、スクーターに放火するなどの行為に及び、警官隊と衝突、35人前後が逮捕されたという。
さらに地方都市でも、ナントで約400人、リヨンで約500人、カーンで約800人がサルコジ氏に対する抗議行動に参加。フランスのラジオ局の報道によると、これ以外の都市でも抗議行動が行われたという。