今週のTOKYO HEADLINE
vol.307
(2007.05/21-05/27)
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MOVIE vol.307

INTERVIEW
音楽で世界を旅する、アルバム『THE WORLD』をリリース

BENNIE Kの世界

清涼感のあるボーカルと歯切れのいいラップを組み合わせたスタイルで人気を集めるフィーメルユニット、BENNIE Kが23日、ニューアルバム『THE WORLD』を発表する。今回のテーマは「音楽で世界を旅する」。民族音楽や伝統的なサウンドを取り入れ、アメリカやブラジル、ヨーロッパを巡る。この旅で彼女らが得たものとは? 

 ハッピー!と歓喜の声をあげたくなるような『Dreamland』(05年)で大ブレーク。その後もボーカルとラップを組み合わせたスタイルで、着実に成長を遂げている。LAで運命的な出会いを果たしたボーカルYUKIとラッパーのCICO(チコ)からなるBEN NIE K。今、「戻ってくるべき場所」で自分たちの音を鳴らしている。

「LAに行ったことで、アメリカでは、空とか土地に合うサウンドが地域ごとに生まれているんだ、アメリカで生まれるHIPHOPにはそこで生まれる理由があるってことが分かって。そういった空気に触れたことで、日本で音楽に携わるようになってからずっと、日本で表現するサウンドってなんなんだろうって考えてました」(CICO)

 自分たちの音を求めて、「がむしゃらにやってきた」。そうした時期を経て、前作『Japana-rhythm』で“日本で表現する音楽”を形にした。この作品は、ニューアルバム『THE WORLD』にも大きな影響を与えている。

「その前までは、自分たちの最大瞬間風速の集大成としてアルバムがありました。でも、『Japana-rhythm』で、日本の四季を音楽で伝えるコンセプトを作って、それに沿って制作してみたら、1曲ずつでも聞けるんだけれども、アルバムの流れとしてもストーリーがあるすごくステキなものになった。それで、次の作品も、と思ったんです。音楽の“旅立ち”をイメージしたシングル『Joy Trip』から始まって、アルバムの最後で結論が出るような感じでたどり着きたいなって。そういう話をしていていくなかで、CICOから、民族音楽や伝統的な音楽とBENNIE Kサウンドを融合させて、音で世界旅行ができたら楽しいんじゃないかってアイデアが出たんです。CICOは、これをやったらかっこいいっていうものを敏感に察知するアンテナを持ってるんですよ」(YUKI)

「前作で日本の良いところを音楽で表現できたので、次は純粋に楽しんで作りたいと思ってたんです。ワクワクすることをやりたくてたまらなくて、今回は、音で旅をしたいなあって。いつもそうなんですけど、やりたいって思うことがあったら、いかにそれをやりたいかってことを2人でプレゼンするんです(笑)。それで情熱が深いほうに傾いていく。どちらのアイデアが採用されるにしても、この2人なら気持ちが乗れば必ず面白いものができるっていうのは分かっているので」(CICO)

 世界地図を開き、行ってみたい国をピックアップ。その結果、アメリカ、ブラジル、イギリス、ドイツと、海も大陸も横断する壮大な旅になった。

「いままでのアルバムのなかで、一番イマジネーションを使いましたね。実際行ったことがあるのは、アメリカだけなので、インターネットで調べたりしながらこんな感じかなってイメージを作りました。この作品をやったことで、BENNIE Kはもうどこに行ってもいい、どこにでも行けるなって思えましたね」(CICO)

「こういうことやりたかったんだ、いろんな音楽に出会いたかったんだって思えたことは発見でした。曲がそれぞれ違っているので、歌い方にしても『Passista de Samba』ではボサノバっぽく、『echo』ではヨーデルっぽくとか変えていったら、それがとても楽しかった」(YUKI)

 地球上のあちらこちらに点在するサウンドを詰め込んだ。バラバラな印象にもなってしまいそうなのに、『THE WORLD』はしっかりと一続きの旅のように聞こえてくるのは、もう1つのストーリーの存在が大きい。

「こんなに長い間音で世界を旅する理由があるとしたら……そう考えたときに、幸せの青い鳥の話を思い出したんです。チルチルとミチルが青い鳥を探しに行くんだけれど、実際は最初から家にいた、それも夢だったみたいなファンタジーですけど、なんとなく自分たちに重なったんです。旅にも、いろいろありますよね。観光もあると思うし、自分たちが歩いてきた人生の旅、家族から離れて大人として歩き出した旅もある。BENNIE Kは、感じたことをそのまま曲として表現していくから、自分たちのことを思いながら作った部分もあると思う。何かを求めて、例えば心のなかで欠けてると思うものだとかを探しに出かけるんだけれど、最終的に戻ってくるのは日本だよねって、話もしたし。日本って、戻ってくる場所、戻るべき場所、心の休まる場所でもある。待っててくれる人たちもいて……それを、青い鳥で表現できるんじゃないかと思ったんです」(CICO)

「このストーリーを入れたことで、アルバムの軸が固くなったよね」(YUKI)

 空想旅行、バーチャルトリップといった要素とともに、人間、アーティストとしての生き方や進むべき道までも含んだこの作品は、あらゆるシチュエーションで聞ける人生のサウンドトラックともいえそうだ。「どういうふうに受け止められるのか楽しみ。聞いて楽しくなる、イマジネーションがフツフツと湧き出るみたいになってくれるといいですね」

 今週末から全国ツアー「WORLD TOUR!? in JAPAN」もスタートする。本人いわく、「ライブはご褒美」。想像力と体力を思い切り使ってアルバム『THE WORLD』を完成させた2人にとって、最高のご褒美になることは間違いなさそうだ。音楽を鳴らしながら日本をリアルに旅する BENNIE Kとのワールドツアー。お乗り遅れのございませんよう、ご注意くださいませ。       



(本紙・酒井紫野)

【プロフィル】 ベニーケー。シンガーYUKIとラッパーCICOからなるフィメールユニット。中学校卒業後に渡米し本格的なボイストレーニングを受けていたYUKIと、高校卒業後に渡米し、HIP HOPミュージックに傾倒していたCICOがLAで運命的な出会いを果たす。99年、LAでユニット結成。01年シングル『Melody』でデビュー。Diggy-MO’をフィーチャーした『オアシス』で話題に。コカ・コーラのキャンペーンCMソングとなったシングル『Dreamland』(05)で大ブレークした。オリジナルとしては5枚目となる最新アルバム『THE WORLD』(フォーライフ ミュージックエンタテインメント 2800円・税込)は5月23日(水)発売。


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