
vol.308
「消えた年金」「光熱費」−参院選見据え与野党が火花
国会は23日、衆院予算委員会で「政治とカネ」に関する集中審議を行った。会期末(6月23日)まで1カ月、参院選の投開票(7月22日予定)まで2カ月を切り、与野党は光熱水費、「消えた年金」問題などをめぐり攻防を展開した。
民主党の長妻昭氏は、基礎年金番号が付与されていない厚生、国民両年金の加入記録が約5000万件に上っている問題を取り上げ、「加入者自身が記録漏れに気づいていないケースがある。政府から『昭和50年の何月何日から保険料を払っていたのに、漏れていませんか』と聞くべきだ」と社会保険庁が国民1人ひとりに確認するよう働きかけるべきだと要求した。
これに対し、柳沢伯夫厚生労働相は「どこか欠けたところがあると思う方は(社保庁に)申し出てほしい」と述べたものの、全件調査は改めて拒否。安倍晋三首相が「国民の不安を解消する努力はしないといけない。厚労省にもいっそう努力させたい」と引き取った。
年金記録の紛失問題への国民の関心が高まりつつあり、民主党は「参院選の一番大きな争点ともなり得る」(鳩山由紀夫幹事長)と位置付けている。「厚労省は実態解明や被害者救済に消極的だ」との世論が強まり、政府・与党側は救済策を検討せざるを得ない状況に追い込まれている。
また民主党の岡田克也副代表は、光熱水費が無償の議員会館で年間500万円以上の支出を計上していた松岡利勝農水相を追及し、説明責任を果たすよう迫った。しかし、松岡氏は「法律に基づき適切に報告している」と従来の答弁を繰り返し、またも支出の詳細な説明を拒んだ。岡田氏の矛先は安倍首相にも向けられた。自民党の石原伸晃幹事長代理と公明党の東順治政治改革本部長がテレビ番組で、松岡氏は説明責任を果たしていないとの認識を示した、と指摘。4回にわたり「(首相は)松岡氏が説明責任を果たしたと思っているのか」とたたみ掛けた。首相は「法律に従い説明を果たした」と苦しい答弁に終始した。
対して安倍首相は民主党の小沢氏の資金管理団体「陸山会」(代表・小沢氏)が、総額10億円を超える土地・建物を保有し、登記簿上、小沢氏の名義になっている問題を取り上げ、「これだけ巨額な不動産取得を個人名義にした人(政治家)は見あたらない。個人所有になる恐れがあり、蓄財や投資の懸念もある。本当に政治活動に複数の不動産を保有する必要性があるのか」と反撃した。
衆院解散は考えていない
5月22日(ブルームバーグ):安倍晋三首相は22日夕、今夏に実施される第21回参院選に合わせて衆院解散・総選挙に踏み切るとの観測について、「いろいろ分析しているのは民主党だ。わたしはまったく衆院選を考えていない」と否定した。首相官邸で記者団が、同日の民主党常任幹事会で、衆参同日選の可能性がある、との発言が出たが、と質問したのに答えた。
また参院選で知名度の高い候補を擁立することについて、「国民が親しみを持っている方々が政治の場で活躍していくならば、もっと国民も政治を身近に感じていただけるでしょうし、もっと選挙に関心を持ってもらえるのではないかと思う」と述べ、前向きな姿勢を示した。