
vol.309
衆院厚労委で年金時効撤廃法案を可決
自民、公明の連立与党が公的年金の支給漏れ問題の解決に向けて国会提出した「年金時効特例法案」は30日夕の衆院厚生労働委員会(桜田義孝委員長)で、与党の賛成多数で可決された。法案は現行5年の年金支給に関する時効を撤廃、過去の年金記録が確認された場合に本来の受給額との差額分を全額支給する内容。衆院は31日午後2時半に本会議を開会。「年金時効特例法案」と「社会保険庁改革法案」の討論、採決を行った。
民主、社民、国民新の野党3党は31日午後零時5分、政府、与党の両法案の審議の進め方が強引だとして逢沢一郎衆院議院運営委員長の解任決議案を提出したが、同解任決議案は与党の反対多数で否決された。共産党は賛成に回った。
年金時効撤廃特例法案が衆院厚労委員会で可決されたことで、“被害者”救済に向け一歩踏み出した。ただ、時効がなくなっても国民が納付事実を証明できなければ支給されない実態は変わりなく、実効性は未知数。
これとは別に、政府は30日、年金記録紛失問題に関する新たな対応策を緊急発表。年金受給者を対象に先行的に行う5000万件の再調査について、同一人の可能性が高いと判断されたデータについては、20年10月までに通知することなどを打ち出した。もっとも照合作業も実は5000万件すべてを特定するという意味ではなく、優先的に調べる受給者分のデータとの関係を調べるだけという。
また、入力ミスの実態を明らかにするため、野党が政府側に回答を求めていた社保庁のオンライン記録と、手書きデータとの照合期限に関しては依然、明確な説明もないままで、効果的な具体策が打ち出せないでいることが露呈した。
同日行われた党首討論では、安倍晋三首相は「申請者の話を丁寧に聞き、合理的な説明かどうか第三者機関で判断する」と領収書がなくても柔軟に対応する考えを示した。小沢氏は「(保険料支払いの)挙証責任を国民に押し付けたままでは、今までと変わりがない。(政府が)支払ったという国民の主張を基本的には尊重すべきだ」と繰り返し主張した。
時効年金25万件950億円
国民、厚生両年金の受給漏れが判明しながら年金請求権の時効(5年)が消滅したために「泣き寝入り」となっていた受給者が少なくとも25万人、総額950億円に上ることが30日、社会保険庁の推計で分かった。同日の衆院厚生労働委員会で、柳沢伯夫厚生労働相が明らかにした。柳沢厚労相は答弁で、950億円の内訳を記録漏れなど加入期間の訂正によるものが534億円、受給権の発生年月日の変更によるものが393億円−などと説明した。