
vol.309
完全失業率が9年ぶり3%台まで回復
総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は3.8%となり、前月比0.2ポイント改善した。4%を下回ったのは1998年3月の3.8%以来9年1カ月ぶり。景気拡大を背景に、倒産やリストラによる失業が減少する一方、新卒者の就職やパート社員の採用が好調だったためで、雇用の回復が一段と鮮明になってきた。
失業率は男性が4.0%、女性が3.6%で、前月比でそれぞれ0.1ポイント、0.3ポイント低下した。完全失業者数は前年同月比16万人減の268万人。就業者数は76万人増の6444万人だった。一方、厚労省が同日発表した4月の求職者1人当たりにどれだけの求人があったかを示す有効求人倍率(季節調整値)は1.05倍となり、前月に比べ0.02ポイント上昇した。
バブル崩壊後の雇用悪化で2002〜2003年には最悪の5.5%まで上昇した失業率がようやく3%台まで低下した。だが、次のステップである雇用改善を通じた賃金の上昇はいまだにおぼつかない。賃金上昇の遅れは、景気拡大の好循環を阻害する“ボトルネック”となっている。
「雇用環境は確実に良くなっている。労働需給の引き締まりが賃金に波及するのでは」
大田弘子経済財政担当相は、29日の閣議後会見で、賃金への波及効果に期待を示した。確かに雇用の改善は鮮明だ。企業は好業績に伴う事業拡大に加え、団塊の世代の大量退職や人口減少による本格的な人手不足時代への備えで、採用を積極化している。一方でリストラによる人員削減は影を潜めた。
(ビジネスアイ)