今週のTOKYO HEADLINE
vol.310
(2007.06/11-06/17)
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撮影/加藤大毅
MOVIE vol.310

INTERVIEW
待望の3rdアルバム『Swingin' Street3』6・6リリース

dorlis

大西ユカリ&須永辰緒、SOFFet、そして野宮真貴とのコラボシングルを連続リリースし、音楽の可能性をさらに広げたdorlis。さまざまなことを吸収し、湧き上がるアイデアを詰め込んだアルバムが完成した。出来上がった感想は「弾けちゃいましたね(笑)」。dorlisは今、音楽を心から楽しんでいる。

“ボタンを1個はずした感じ”の自信作
「書いてるのは自分なのに、こんな愛され方してみたいなって思うんです」

 先行シングルの華やかさは尋常ではなかった。『メンズキラー☆シスターズ』『ワクワク  ぬけがけ大作戦』『ラブ◎○△▲ダービー』。タイトルを見ただけで踊り出したくなる曲が並んでいる。dorlisといえばこれまでは“スウィンギーでジャジーなメロディーに乗せ、ぴりりとスパイスの効いた毒と花の世界を歌う”ことに定評があった。それが今回は、そのテイストを失わず一気に階段をかけのぼった感がある。変化について語るdorlisの言葉には、チャレンジする楽しさがみなぎっていた。

「コラボ企画自体初めてだったけど、本当にいい経験でしたね。最初の大西さんは昭和歌謡のお姉さんだからどうなるのかなと思ったけど、“キタッ!”ってくらいハマッて、ミュージカルのように歌う楽しさも覚えたし、SOFFetのプロ意識にも刺激されたし、昔から憧れだった野宮真貴さんの声はやっぱり素敵でした。この人とやりたい!って選びに選んだ方たちとご一緒できて、今までと違ったアプローチで詞や曲が書けたのもすごく楽しかったんですよ」

 新しいものに触れて活性化した感覚は「ボタンを一個はずした感じ」。dorlisはその勢いのまま約1カ月スタジオにこもり、曲を作り、詞を書き、アルバムを完成させた。

「アルバムに関しても、新しく録りおろした曲とかはすごい豊かな気持ちで歌えましたね。音に関しても、今までのスウィンギンポップとかカントリーテイストだけでなく、ジャズファンクとかレゲエテイストとか、前からやりたいと思って温めていたことを一気にできたので、新しいメロディーラインもすごく出てきたんですよ。アレンジも、クラブテイストを意識したのもあれば、ビブラフォンとオルガンの入った大人っぽいジャズもあったりしてすごくおもしろくて、やっとこれができた!って、うれしくて弾けちゃった感じですね」

 そのクオリティーは、音だけでも楽しめるアルバムといってもいい。そんな中、変わらずに綴られるのは、さまざまに揺れる恋心の詞だ。女性の永遠のテーマは、25歳のdorlisにとっても同じなのだ。

「詞に関しては、より日常的になりましたね。『かさぶた』っていう歌では、部屋の匂いも感じられるくらいリアルになった感じがあって、書いてるうちにこっちまでせつなくて苦しくなったり、逆にかけひきの曲を書いてるときは、ここまでやったらただの嫌な女だからやめておこうって考えたり。書きながら登場人物の女性に嫉妬することもありますよ。こんな余裕があったら恋愛もうまくいくんだろうな、こんな愛され方してみたいなって。書いてるのは自分だけど、実際は書くほどうまくいかないです(笑)。歌詞の女のコって、かけひきもかなりの確信を持ってやるけど、うちはへたしたら撃沈(笑)。すぐ顔や態度に出ちゃうし、待つことができないんですよ。今日は電話がくるまで待とうと思っても5分後には番号押しちゃってるみたいな。押して押して、一旦引くのがかけひきの王道だと思うけど、引いたすきに向こうがどこか行っちゃったらどうしようって。だからライブのMCでよく言うんですよ。“実際はこういうコじゃないので、よろしくお願いします”って(笑)」

 恋愛の歌だけでなく、アルバムの中には異彩を放つ美しい歌も一曲入っている。優しい言葉で環境問題を綴った『季節を知らない子供たち』だ。

「毎回アルバムに1曲はメッセージ性のあるものを入れてるんですけど、重くなりたくなかったから絵本的な感じにしようと思って、行き場を失った動物たちを徹底的に調べて、可愛らしい表現ができるものを選んで書いたけど、苦労しましたね。でも、今は当たり前に過ぎていく春夏秋冬がなくなったらと考えると、冬に恋人と暖めあいながら歩くぬくもりの感覚とか、鼻を真っ赤にしながら雪合戦をするとか、そういう楽しみを知らないコが増えるのはかわいそうだし、自分も奪われるのは嫌だなと思ったんですよ。それで季節をタイトルにつけたんです」

 dorlisは岡山県生まれ。小学校の裏山には蛍がいっぱいいたそうで、豊かな自然を肌で知っている彼女だから書けた世界かもしれない。

「新曲ができるたびに親に送ってるんですけど、今回のアルバムに対して父親から返事が来て、“エログロナンセンスな風潮の中で、一服の清涼剤になるような歌をこれからも作り続けてください”って書いてあったんですよ。どういう意味だろうっていまだに理解に苦しんでるんですけど(笑)」

 待望の東京でのライブは6月24日。SOFFet、Jazztronik、中塚武、大西ユカリ、ミズノマリも参加し、dorlis自身「客席で聞きたいくらい」というステージが展開される予定だ。音楽ファンは必見。事前にアルバムを聞き込んでおくことも忘れずに。




(取材・文/幸野敦子)

dorlis 3rd Album『swinigin'street3』6・6Drop!
2年ぶりとなるアルバムは、先行で発売されたコラボレーション企画と純正dorlisサウンドが両方楽しめる盛りだくさんの内容。 VICL-62379 3000円(税込み)
■6月24日(日)会場:DUO -Music Exchange- 16:30 開場 /17:30開演  前売り 3500円 当日 4000円(ともに1ドリンク別)■10月20日(土)会場:DUO -Music Exchange- 18:00開演予定 前売り 3500円 当日 4000円(ともに1ドリンク別)


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