
vol.310
談合事件で大林組の脇村社長が引責辞任 創業家の経営支配を薄め脱談合へ
大林組は4日、大阪府枚方市が発注した清掃工場建設工事をめぐる談合事件の責任を取って、脇村典夫社長(67)が特別顧問に退く人事を発表した。後任には白石達専務執行役員(59)が昇格する。創業家の大林剛郎会長(52)は取締役に降格。4月1日付で専務から昇格した大林芳久副社長(66)も特別顧問に退く。28日の株主総会後の取締役会で正式決定する。
名古屋市の地下鉄工事談合事件を受けて3月初めに発表した人事では、大林会長、脇村社長は留任する予定だったが、5月末に枚方市の清掃工場談合事件が発覚。同社顧問、社員2人らが逮捕される事態に及び、経営陣の大幅刷新に踏み切る。
創業家の大林剛郎会長が代表権を返上して取締役に退き、創業家の経営支配の色彩を薄める。白石達次期社長を中心に“新生大林組”を目指すが、談合体質からの脱却を含め、課題は山積している。
和歌山県の下水道施設工事、名古屋市発注の地下鉄工事、そして今回の大阪府枚方市の清掃工場建設と、大林組は最近の大型談合事件の多くで“主役”に近い役回りを演じてきた。
名古屋市の事件は談合決別宣言後の事案として経営責任が問われたが、同社は2月28日、土木部門トップを含む役員3人の辞任や脇村典夫社長と大林会長の報酬返上(30%を3カ月)などをいち早く発表。事態は収束するかにみえた。しかし、枚方市の案件は、当時の現職の執行役員が逮捕されたことで、「これまでとは異質な状況。人心の刷新が不可欠」(脇村社長)となった。
ただ、談合は1社ではできない。大林組が経営刷新を図っても、公共事業をめぐる談合という因習がなくなるかは疑問だ。4日の会見で、白石次期社長もコンプライアンス(法令順守)徹底の具体策を問われると答えを濁した。脱談合をどう担保するかは大林組だけでなく、業界全体の取り組み次第だ。
(ビジネスアイ)