今週のTOKYO HEADLINE
vol.311
(2007.06/18-06/24)
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MOVIE vol.311

INTERVIEW
ニューシングル『RETURNER〜闇の終焉〜』で表現する メイド・イン・ジャパン

Gackt

 真っ黒な髪を胸までたらし、がっしりとした鎧を身に着け、キラリと光る日本刀を構える。Gacktのニュールックは「和」だ。「ずっと追求してきたことがようやく形になった」という、和楽器を取り入れた壮大なシングル『RETURNER〜闇の終焉〜』をリリース。そして、最高のタイミングで、大河ドラマ「風林火山」の出演も始まった。しばらくの間、新しいGacktに釘付けにされそうだ。

 久しぶりに会ったGacktは髪を短くしてサッパリとした印象だった。邪魔になるからと、インタビュー前日に自分で切ったのだという。「短い時は自分で切っちゃうんだ」。見事にカットされた髪。本当に何でもできてしまう人。

 何をやるにしてもそつがなく、そこまでやるかと思うほど完璧にやってしまう。それは、和を打ち出した新しい世界でも同じだ。Gacktは、漆黒の髪を胸までたらすといった様相で刀を振る。出演している大河ドラマ「風林火山」は言うまでもないが、ニューシングル『RETURNER〜闇の終焉〜』のミュージックビデオでも同じで、鎧や甲冑をつけた武将たちが刃を交えるなか、いよいよと刀を抜き、襲い来る敵に振り下ろす。その様は「風林火山」の世界とオーバーラップする。

「1人の日本人として、日本のアーティストとして、海外でも活動していくことを考えて、自分のオリジナリティーってどういうものなんだろうってずっと追求してきたことが、この数年間で形になってきたってことなんだと思っている。ただ、(ミュージックビデオの)ビジュアルについては、テーマとなっている“生”が大河ドラマのそれと共通するところだったから、その世界と僕の世界を融合させたらどうなるだろうと思って作った」

 和楽器の音色とハードなロックサウンドが共存。クラシック音楽のような荘厳さもある。最高のバランスで組み立てられたこのシングルは、「生」と「死」のドラマを立体的に描き出す。

「僕は、ヨーロッパ的なイメージで取られることが多いけど、感覚的には古い日本人タイプだと思う。その一方で、音楽においては、アグレッシブさを持っているし、新しいものを作ることに対して誇りも持っている。そういった二面性を持って、和楽器を使うアプローチも以前からトライしてきた。それが上手くはまったのがこの曲なんだ」

 求めて続けてきた音楽のアイデンティティーが確立し始めたのとシンクロするように、世の中も動いている。Gackt中心に世界が回っているのではないかと思うようなタイミングだ。

「今、海外でビジュアル系音楽が評価されてきているよね。その理由がどうしてだと思う? それは、日本から独自に生まれたものだからだよ。ヒップホップにしても、ブルースにしても、ラップにしても、ロックにしても、ほとんどがメイド・イン・USA。でも、ビジュアル系は唯一メイド・イン・ジャパンだと言い切れるものなんだ。僕はビジュアル系の後期、テーマを見出してそれを貫こうとしたけど、その時はファッションで終わってしまった。表現的にパーツの組み合わせから始まったジャンルだったし、存在意義やテーマを構築する以前に、文化として完成される前に世の中に流れてしまったからね。だから今度は、自分たちがなぜこの音楽性を選び、何のためにやっているのかっていうものを認識しなきゃいけない。そうしないと、また同じ結果になってしまうからね。僕は、メイド・イン・ジャパンの文化を、世界に伝えたいと思っている」

「風林火山」に出演すると決めたのも、世界で一番多く放映される大河ドラマならば、日本人として世界に伝えられるものがあるのでは、と思うところもあったからだという。Gacktは17日放送分から登場している。

「いろいろ勉強させてもらってる。長けてるところが違う人が集まっているから、表現することにおいて非常に勉強になるんだ。例えば、亀次郎さんは、動き一つひとつへの表情づけがすごく上手。扇子をいきなりクビの後に差し込んだり、拾った脇差しを何気なく袖で拭いたりとか、歌舞伎の動きが組み込まれている。こういう役だからこの動きを入れよう、っていうわけじゃないんだ。役を演じるのにもともと自分の得意なものを惜しみなく使ってくる。それを見せられるとすごくいい刺激になる」

 Gacktが演じるのは、孤高を愛し、自分を律したことで有名な上杉謙信。

「上杉謙信は、日本人の美徳を貫いた人なんじゃないかな。生き方が美しい。その美しさに惹かれる。粗野に生きたり野蛮に生きたりするのは簡単だと思うけど、美しさを貫くのは難しいし、しんどい。これは、外見じゃなくて、内面の話ね」

 報道では、Gacktの演じる謙信に他出演者もため息を漏らしているという。戦国の世を優雅に駆け抜け、時代を超えてもなお愛される上杉謙信。音楽を通じて、世界に強いメッセージを伝えて行こうとするGacktの姿にも重なる。 

 音楽、そしてドラマ。いろいろな形で送られる、Gacktのメイド・イン・ジャパンのメッセージ。それは日本にいる私たちにも何かを気づかせてくれるはずだ。




(本紙・酒井紫野)

左 初回盤 右 通常盤 New Single『RETURNER〜闇の終焉〜』
クラウン 6月20日(水)発売 
初回盤1800円(税込)通常盤 1280円(税込)


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