
vol.311
金融庁が三菱UFJ銀行に改善命令
金融庁は11日、三菱東京UFJ銀行に対し、投資信託の窓口販売での不適切な対応と、海外業務で相次いだ不祥事に関して、管理態勢に不備があったとして2件の業務改善命令を出した。7月11日までに法令順守(コンプライアンス)態勢の整備や役職員の責任明確化などを盛り込んだ改善計画の提出を求めている。
投信窓販では、誤発注など銀行側の過失で顧客に損失が生じたにもかかわらず、「損失補填(ほてん)が可能」という説明を行わず、謝罪のみで解決済みとした事例や、その後に顧客から苦情があった場合に補填したケースなど不適切、不公平な取り扱いが過去3年間で約100件あった。
一方、ニューヨーク支店が昨年12月、マネーロンダリング(資金洗浄)防止態勢の欠陥を米当局に指摘されて業務改善命令を受けるなど、海外当局から複数の処分を受けたほか、現地採用職員による横領などの不祥事が数十件起きている。
三菱UFJは今年2月にも一部業務停止処分を受けて改善計画を実行中だが、金融庁は銀行全体の管理態勢に問題があるとみて、重ねて行政処分に踏み切った。
三菱UFJの件数は突出して多かったとはいえ、不適切な扱いは「他の大手行でも数件から数十件レベルで起きている」(金融庁銀行1課)。
このため、金融庁は監督指針の中で顧客の知識、経験のレベルに合った勧誘、説明の確立を重点事項とし、「問題があれば厳正に対応する」(五味広文長官)との方針を打ち出すなど顧客保護の徹底を求めている。さらに、9月施行の金融商品取引法により、明確な行為規制違反がなくとも、投資家保護に問題があれば証券取引等監視委員会が勧告できるようになる。