
vol.311
スーパールーキー・ハミルトンがF1初勝利
黒人初のF1ドライバーとして注目を集めていた“F1界のタイガー・ウッズ”、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が、カナダGP(10日決勝)でF1初勝利を挙げた。
ポールポジションでスタートしたハミルトンは、クラッシュが続出した波乱のレースにも集中力を切らすことなく、冷静なレース運びでポジションをキープ。1時間44分11秒292のタイムで歓喜のチェッカーフラッグを受けた。
黒人ドライバーとしては、もちろん初のタイトル獲得。新人ドライバーの優勝は01年のファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズ)以来のことになる。
「準備はできていた。いつどこで、というのだけが問題だった」。カナダまでの全5戦でも表彰台に立っていた驚異の22歳は、自信に満ちたコメントを残す。
スーパールーキーの目標は、さらに高い場所にある。「次の夢は総合優勝。でも、現実的にならないといけないし、今年はルーキーイヤーということを忘れてはいけない」。カナダGPでの勝利により、ポイントランキングで単独首位。F1史上初の偉業も射程圏内に入ってきたが、本人に気負いは見られない。
「ハミルトンは本物だ」と、元王者のデーモン・ヒルも称賛する。同じ英国人ドライバーとして96年に世界王者に輝いたヒルは「チーム、マシンに恵まれていることも確かだが、何か特別なものを持っていなければレースに勝つことはできない」と、ハミルトンのカリスマ性をも指摘する。
ミハエル・シューマッハーがサーキットを去り、混沌の中で始まったF1グランプリ2007年シーズン。F1史に君臨してきた皇帝に代わり、「ルイス・ハミルトン」という新たな英雄伝説がスタートする可能性は、日に日に高まってきている。
サムライ琢磨は6位入賞!
ハミルトンの快挙と同程度に、スーパーアグリ・ホンダの佐藤琢磨もまた波乱のレースで大仕事をやってのけた。琢磨は11番手からスタートし、4度のセーフティーカーが出動する荒れたレースの中でポジションを上げ、6位入賞を果たしたのだ。
順位はチーム発足後最高位。終盤には前年王者フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)を後ろから追い回し、残り3周でオーバーテイクする名シーンも演出した。胸のすくようなレースに「最後の数周は最高の気分だった。これまでのレースキャリアの中でも最高に素晴らしい日」と、琢磨は充実感満点のコメント。ドライバーズランキングも12位に浮上し、今後のさらなる飛躍を期待させるカナダGPとなった。