
vol.312
数字の拡大に奔走する急成長企業
中古本販売チェーン最大手、ブックオフコーポレーションの坂本孝会長が売り上げ水増しなどの責任をとって退任。厚生労働省から事業所指定の取消処分を受けた訪問介護大手、コムスンを傘下に抱えるグッドウィル・グループ(GWG)、受講契約者に虚偽の説明をしたなどとして経済産業省から一部業務の停止を命じられた英会話学校のNOVA…。急成長した新興企業の不祥事が相次いで発覚している。急成長の陰に潜む「不正の誘惑」をどう克服するかが、重大な課題となりつつある。
ブックオフの創業者である坂本会長は、「本を売るならブックオフ」の分かりやすいキャッチフレーズで、すき間産業だった中古本販売を小売業界の表舞台に引き上げた功労者だ。しかし、疑惑を調査してきた調査委員会はこの日、「昨年対比の100%超えを至上命令とする経営者の強い意志があり、現場にプレッシャーをかけていた」と不正の背景を指摘し、数字の拡大に奔走する経営姿勢をあぶり出した。
GWGのケースでは、コムスン買収などによる介護事業大手への急成長の陰で、介護報酬の不正請求など根深い問題が浮上。NOVAも「駅前留学」のテレビ広告などで消費者にアピールしながら受講者に虚偽の説明を繰り返す、あきれた経営で達成した成長だったといえる。