
vol.312
日産不振が続けばゴーン退任も
「2006年度の経験から多くの教訓を学んだ」−。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は20日の株主総会で、前年度の業績不振に関する反省の弁を述べた。07年度は世界販売で前年度比6.2%増の370万台と反転攻勢を目指すが、「第1四半期はあまりいい状況ではない」と言うように出足は鈍い。再び目標が達成できなければ信認が大きく揺らぐのは必至で、ゴーン社長にとっては試練の年となりそうだ。
全販売の約3分の1を占める米国販売は、4月が2けた減、5月が3.2%増で推移。小型車「ヴァーサ」など新型乗用車は好調な一方、古いモデルが多い小型トラックは2カ月連続2けた減と不調だ。また、国内も5月まで約8%減で推移。ゴーン社長は「織り込み済みだ」と通期の業績見通しを変えない構えだが、予想以上の原材料高などの逆風もあり、強気の姿勢がいつまで続くかは不透明だ。
また、ゴーン社長はトヨタ自動車やホンダと比べて株価水準が低い理由の一つとして「株主に長期的な会社の展望が見えないこと」を挙げた。これは、同社長が日産を去った後の経営体制がどうなるのかという点も含んでおり、毎年の業績以上に同社が抱える最大の将来リスクといえる。
総会では、目標が未達に終わった社長の進退を問う意見も出たが、「貢献できなくなれば去らなければならない」と、従来口にする言葉を繰り返すにとどまった。これまで強気を貫いてきたゴーン社長に、2度の失敗は許されない。株主ら利害関係者を納得させられる実績や将来展望を示せるかどうかが、ゴーン体制の存続を占う鍵となる。
(ビジネスアイ)