
vol.313
東証の国際化戦略を推進
斉藤新体制がスタート
東京証券取引所の新社長に前産業再生機構社長の斉藤惇氏が22日、就任した。斉藤社長は同日の就任会見で、「グローバルな取引所になれるかどうか、ここ数年が勝負だ」と抱負を語った。2008年12月を目標とする株式上場に向け東証改革に加え、グローバルな市場間競争の勝ち残りや世界規模で加速している取引所再編への対応など課題は山積で、その経営手腕が注目される。
斉藤社長に課せられた最大の課題は東証の国際化。世界の金融市場はIT(情報技術)の進展で投資資金が瞬時に国境を越えるグローバル化が加速、市場の魅力を上げていかないと脱落していく時代に入っている。今週半ばには英ロンドン証券取引所とイタリア取引所が合併交渉に入ったことが明らかになるなど世界の取引所再編の動きは活発化。国際戦略は待ったなしの情勢となっている。
斉藤社長は会見で世界で通用する取引所について「ロシアマネー、中東マネーなど世界中からお金を集め瞬時に分配することができるところ」と定義。その上で、「こうした取引所は3つ程度。あとは完全なローカルな取引所になる」と、危機感をあらわにした。さらに「東証の品ぞろえは何として拡大すべきだ。(金融庁など)関係者と協議し、戦略を打たなければならない」と意気込みをみせた。
上場企業の時価総額ベースで東証は、欧州取引所のユーロネクストと統合した米ニューヨーク証取に次いで2位。しかし、米ナスダック運営会社が北欧の取引所連合OMXが年内に統合し、ロンドン、イタリアの両証取の統合が実現すると東証は4位に転落する。東証も15日にシンガポール取引所の株式を取得し資本参加するなど、再編に打って出ている。(ビジネスアイ)