
vol.313
渋谷温泉施設爆発で住民にガス検査「空約束」
東京都渋谷区の温泉施設爆発事故で、爆発した施設を所有する「ユニマット不動産」などが開業前に近隣住民に配布した資料で、「運営にあたってはガス検知器によるチェックを欠かさず行い、安全確認に努めます」と説明していたことが24日わかった。だが、施設にガス検知器は設置されておらず、開業後もガス濃度は一度もチェックしていなかった。
資料はユニマット不動産のほか、設計・施工を担当した「大成建設」、温泉を掘削した「鉱研工業」の連名で作成されている。表題は「(仮称)ユニマット松濤1丁目プロジェクトにおける温泉処理について」とし、シエスパ開業前の17年3月に近隣住民に配布したとみられる。資料によると、温泉を掘削した穴の中で2.5%、穴周辺では0%とするガス濃度の測定結果を示した上で、「メタンガスの燃焼域は5〜15%です。(温泉の)使用にあたっては引火の可能性がないことが確認できました」としている。近隣住民らによると、住民説明会は14年ごろから計4、5回開かれた。住民側からガスに対する不安の声がたびたび出されたが、ユニマット側は「安全だ」と説明していたという。
一方、捜査1課は26日、業務上過失致死容疑で、爆発した「シエスパ」の現在の運営会社の親会社で、開業当時の運営会社だった「ユニマットコスモ」(港区)など計10カ所を捜索したが、施設を所有するユニマット不動産が昨年1月の開業前、温泉調査会社から「ガスが滞留すれば爆発し大惨事になる可能性がある」との内容の報告書を受けとっていたことが判明した。同不動産は開業前に2回、ガスの噴出や危険性について報告を受けた。調査会社は平成17年3月に行われた2回目を担当。検知器設置など安全対策を取る必要性とともに、そうしない場合は「爆発し大惨事になる」と報告書にまとめ、同不動産に渡したという。しかし施設にガス検知器は未設置だった。ガス検知器が設置されなかった理由は不明。