
vol.314
RIGING ARTIST INTERVIEW
岐阜から飛び出したレゲエユニット
『ジェット気流』で願うは世界?
MEGARYU
ダンス・ホール・レゲエ・デュオMEGARYU(メガリュウ)が、11日ニューアルバム『ジェット気流』(cutting edge)をリリースする。これまでよりもさらにライブ感の高まりを感じる本作。その変化の理由とは?
自信を持っていいんだと思えた部分が見えました
日本のレゲエミュージックのファンベースは歴史があり、厚い。そして、熱烈だ。トラディショナルなレゲエは言わずもがなだが、近年、さまざまなタイプのレゲエサウンドが日本に上陸。その人気の過熱ぶりはすごい。
そんな状況にあって、日本の真ん中、岐阜県から飛び出したのがMEGARYU。MEGA HORN(メガホーン)とRYU REX(リュウ レックス)からなる、ダンス・ホール・レゲエ・デュオだ。彼らの持ち味は、ある意味、優等生的とも言える、とにかく前向きで、まっすぐなメッセージ。ずっと続いていく明日を謳歌しようと言わんがばかりの内容だ。
MEGA HORN「前向きで強い人なんじゃないかって思われるんですけど、自分たちにもいろいろあって。人から見たらちょっとしたことでもすごい高い壁に感じたりしますしね(笑)。あえて言うなら、僕たちは、自分たちがそう思っているから書いています。もっともっと行かなきゃいけないとか、タフなハート=気持ちでいかなきゃいけないとか」
2000年に結成。04年にミニアルバム『JUST NOW』(カッティングエッジ)でメジャーデビューした。ターニングポイントは2006年にリリースされた『Day By Day』。CMソングとなって全国に響いたこの曲で、良い気流に乗った彼らは昨年、ニューヨークでライブも行った。
11日にリリースされるニューアルバム『ジェット気流』は、その時の経験を反映したものだという。
RYU REX「現地のミュージシャンとライブをしたり曲を作ったんですよ。そういう作業を通して、自分たちが今やらなければいけない部分と、自信を持っていいんだと思った部分が見えて、帰国してすぐ曲作りを始めました。作らずにはいられなかったんです」
ニューヨークでのエピソードは数々あるが、そのなかでももっとも衝撃を受けたのは、レゲエのレジェンドである、ジェリー・ハリスとの会話だった。
RYU REX「ジェリーさん、彼はジャマイカの人なんですけど、彼は86、87年に行われた『ジャパンスプラッシュ』で来日している人なんですね。その彼が、みんなでご飯を食べてるときに、急に真面目な顔になって"ちょっと真剣な話をしたい"って。その話っていうのが、ジェリーさんたちは『ジャパンスプラッシュ』で日本にレゲエミュージックの種を植えた。それが、芽を出し、日本の文化と日本の音楽と交じり合い、ジャパニーズレゲエができた。それが僕たちなんだ、っていう話で」
MEGA HORN「ニューヨークに行ったときって、正直恐怖感もあったんですよ。僕らのやっているのはレゲエですけど、アレンジされすぎているし、受け入れられないんじゃないかって。ニューヨークじゃなくても、"それはレゲエじゃない"って跳ね返されちゃったりすることもあるじゃないですか」
RYU REX「でも、ジェリーさんみたいな人が、僕らの音楽を受けいれてくれて、僕らがこれからレゲエを作って行くんだ、って言ってくれた。それが、ズドンときて、…恥ずかしいけど、泣いちゃいましたね」
熱い気持ちのまま、「自分たちにはありえないスピード」(MEGA HORNE)で作った、最新アルバム。タイトルどおりにすごいパワーを噴出している。これまでよりもさらにライブ感が高まった印象。
RYU REX「これまで打ち込みが多かったんですが、今回はバンドがずいぶん入っています。人間がやってるわけだから微妙なズレがあったりするけど、それがグルーヴを生むし、ライブ感を作り出していくのかもしれない」
アルバムには、観客をアジテートするMEGARYUテイストのアグレッシブな楽曲や、RYU REXの伸びのあるボーカルを最大限に生かしたバラードまで、バランスよく収録。ライブ感と作りこまれた感が等しく存在する。現在のMEGARYUのすべてを注ぎ込んだといえる内容だ。
『我流』を打ち出して『我流旋風』を起こし、『上昇気流』に乗った。そして今、自分たちの音楽で『ジェット気流』を作り出して、シーンを巻き込んでいく。気がつけばレゲエが聞きたくなる夏になった。MEGARYUからしばらく目を離すことはできなさそうだ。