
vol.314
ブルドックがついに日本企業初の買収防衛策発動 スティールがTOB撤回せず
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンに敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられているブルドックソースの買収防衛策の発動が4日、ほぼ確実となった。発動を回避できる期限である4日までにスティールがT
OBを撤回しなかったため。スティールは防衛策の差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てたが却下され、東京高裁に抗告しており、発動日である今月11日までに高裁が差し止め命令を出さない限り新株予約権が発行される。
敵対的TOBに対し、防衛策が発動されるのは日本では初めてで、世界でも珍しい。
予約権が株式に転換されると、スティールのブルドック株の保有比率は現在の10.52%から2.86%に大幅に低下。8月10日を期限とするTOBも失敗に終わる可能性が高い。ただ、スティールに割り当てられた予約権はブルドックが23億円で買い取るため、スティールは一定の投資利益を回収できる。スティールとしては、名を捨て実を取ったといえそうだ。
ブルドックの防衛策は7月10日時点の全株主に対し1株当たり3個の新株予約権を11日に発行。スティールは株式への転換ができない制限を設ける一方で、予約権を1個当たり396円で買い取る仕組み。株式売買の決済には4営業日が必要で、4日までにブルドック株を購入した株主が新株予約権の発行対象となるため、同日を発動回避の期限に定めていた。
今後、ブルドック株は株数が4倍近くに増える防衛策の発動を前提に取引されるため、理論上は株価も4分の1近くに下落する。このため、スティールは1株1700円の買い付け価格を4分の1近い425円に引き下げる価格変更を行い、TOBを継続する見通し。
ただ、継続しても新たに発行される新株は買い付けられない仕組みになっており、保有比率を経営の重要事項を否決できる3分の1以上に高めることはできない。また、6月24日のブルドックの株主総会では、80%以上の株主が防衛策導入に賛成しており、ほとんどの株主がTOBに応じないとみられる。
(ビジネスアイ)