
vol.315
INTERVIEW
ニューヨークの空気を詰め込んだニューシングル『ゼロ』リリース
FAYRAY
何気ない日常の一コマ、わずかな感情の動きをシンプルな言葉で丁寧に綴り、普遍の愛を歌い続けるシンガーソングライター、FAYRAY。昨年、ニューヨークに拠点を移し、理想の音楽を追求している。彼女からニューシングル『ゼロ』が届いた。この曲に込めた思いを聞いた。
初めて自分自身に優しくなれた気がします
背伸びをしたり、肩にむやみに力を入れたりすることなく、あるがままに愛を表現する。シンガーソングライターFAYRAYのスタイルや生き方は、あらゆる女性にとっての憧れであり、励ましにもなっている。自分の理想を追い求めながら、さまざまなトライを続けるなかで、「tears」「Baby if,」など心に響く曲を発表。急がず、焦らず、周囲の期待や雑音も自分のペースに取り込んでしまっているように思える人だ。
昨年、理想の音楽を追求するため、ニューヨークに活動拠点を移した。大きな夢で胸をいっぱいにした人たちが世界中から集まり続ける刺激的な街は、FAYRAYにもポジティブな影響を与えてくれるという。
「明るく前向きに、ひるまずに流されずにビビらずに(笑)生きてくこと!を教えてくれたと思います。I will try. では無くて、I will do it. という言葉かな」
そのなかで生まれたのが、先日リリースしたシングル『ゼロ』。アルバムなどでタッグを組んだダギー・バウン氏と一緒に制作。FAYRAYいわく、「音楽という文字通り、音を楽しむ!」ことを教えてくれるという雰囲気がそうさせたのか、この曲には並々ならぬ時間とエネルギーを費やした。
「常にチャレンジというか、同じことを反復させないというか、自分のモチベーションを高めるためにも、少しずつハードルを高くしていくことで燃えるんです(笑)。だから、作品を作るごとに毎回何か反省点があって、少しずつ学んで、新作ごとに高めていくという感じなんですよね」
作詞も作曲も、これまで通りFAYRAYが手がけた。しかし、これまでの作品と「ゼロ」ではちょっとした違いがある。
「だいたい曲先行で書くのですが、今回に関してだけは、“夏草の眩しさ”という歌詞にも書いていますが、ビジョン先行でした。初めて風景というか、色を一番先に描いてそこから曲作りを始めました」
季節の移り変わりと時間の経過、そのなかでも変わらない愛しい人への想いを、ソフトでゆっくりとした楽曲に乗せて歌う。
「日本語の美しさが大好きで。特に四季の表し方、色や感情の表現の仕方は世界中でも日本ほど細かくち密に、繊細に表現できる言語は無いと思います。今作は何か大それたことを言おうとか、面白い言葉の組み合わせを、といったことではなくて、普段目に映る景色や心に浮かぶ思いを、いかにそのままの形で表現するか、というところにこだわりました」
FAYRAYの包み込むような歌声で季節が移っていく景色が浮かびあがる。歌詞にもあるけれど、目に映る愛しい風景を大切な誰かとシェアしたくなるラブソングだ。
「私が想う理想の恋愛って、とにかく、この人といると自然だなーと思えることなんです。与えるとか、与えられるとか、考えない境地にいけること。太陽や月を一緒に見たいと思えること。この曲は、ずばり私の恋愛感ですね」
シングル「ゼロ」は、これからFAYRAYが向かう方向を指し示す作品にもなった。
「今まで自分のダークな部分に焦点を当てて、そこを消化するために曲を書くことが多かったのですが、最近明るい世界もかなり魅力的だと再認識して(笑)。常にポジティブに明るく楽しく、とはいきませんが、積極的な心で、マインドで生きていくことを心がけるようになってから、初めて自分自身にも優しくなれたような気がします。そんな新たな気持ちの変化を表現したのが、この曲なんです。初心に帰って、出直し!といった心境ですね。 一人でも多くの人に、聴いて頂きたいと思います!」
(本紙・酒井紫野)