今週のTOKYO HEADLINE
vol.315
(2007.07/16-07/22)
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Showbiz vol.315

ODOROCK FESTIVAL
ロック→ダンス ダンス→ロック キーワードは“踊れるロック”

踊る、夏フェス!

ライブハウスとクラブが接近している。生楽器から放たれる迫力のサウンドに思いの丈をぶつけたロックやパンクは、シンセサイザーやディスコビートと出会って、楽観的でハッピーなサウンドに変化。その一方、踊って楽しむためのダンスミュージックは、言葉や生楽器とともにポップさやキャッチーさを手に入れ、この動きは、夏の風物詩である野外ロックフェスにも波及。「踊れるロック」「ロックなダンス」を鳴らすグループがラインアップされている。腕を振り上げてジャンプし続けるロックはもうないの?

 ロックとダンスミュージックの接近が目立つようになったのは、1年ごと、時には季節ごとにがらっと様相を変えるイギリスのミュージックシーンが原因だ。アート系の佇まいを持つロックバンドがディスコビートやデジタルサウンドを取り入れるようになった動きをキャッチすると、英メディアは「ニューウェイブ・リバイバル」なる言葉で、一大ムーブメントを作り上げた。
 実はその前にも歩み寄りはあった。90年代後半から2000年ぐらいにあったのが「エレクトロクラッシュ」。80年代のニューウェイブやポストパンク、エレクトロ、ディスコなどを当時のダンスミュージックで解釈したもので、ベルギーの2MANY DJ'SやLCDサウンドシステムらがこのムーブメントの代表格だ。
 そして、ここ数年大きな声で叫ばれ、こき落とされているのが「ニューレイヴ」。一般的には、ロックミュージックとダンスミュージックをミックスさせたものをそう呼んでいる。
 インターネットの普及で、瞬時に最新のサウンドに手が届くようになったとはいえ、ムーブメントの波及にはまだ時差がある。日本でもようやくこうした音に日が当たるようになった。TRICERATOPSはスタート時から「踊れるロック」を掲げて活動してきたが、ここにきてようやくその言葉がひとり立ちした。時代の寵児といっても良さそうなチャットモンチーは、シングル『シャングリラ』でディスコビートを取り入れた。他にもDOPING PANDA、ダンス側ではBEAT CRU SADERSをフィーチャリングしたRYUKYUDISKOなど日本でも「ニューレイヴ」の影響を感じる。
 振り返ってみても90年代後半から現在に至るまで、国内外のミュージックシーン、とくにロックを中心としたシーンでは、「踊れる」ことがキーワードであることが分かる。これは現在楽器や機材を手にしているミュージシャンが、電子機器を取り入れたニューウェーブや90年代のポップロックを聞いて育ってきたからだろう。
 トレンドと同じように音楽の傾向もグルグル回る。そう考えると、これから生まれてくる音というのは、「踊れる」要素が含まれるようになるのかもしれない。もう、腕を振り上げ、ヘッドバンギングし、言葉をかみ締める、新しいロックは生まれてこないのだろうか? それはロックフェスに行ってみれば分かることなのかもしれない。

夏フェスでチェ〜〜〜ック!
踊れるロック、ロックなダンスのアーティスト!

「踊れるロック」、「ロックはダンス」が今のミュージックシーンのキーワードになっていることは分かった。次は、実際にそのアーティストたちのサウンドやパフォーマンスをチェックしたいもの。4大サマーミュージックフェスティバルには、話題のアーティストたちがどっさり登場する。このチャンスを逃す手はない! さあ、フェスティバルへと出発しよう!

THE CHEMICAL BROTHERS
【出演するフェスティバル】FUJI ROCK FESTIVAL(7月29日)



 89年にマンチェスターで結成された、トム・ローランズとエド・サイモンズによるダンス・テクノ・ユニット。同時代に活躍したアンダーワールド、オービタル、プロディジーとともにテクノ四天王とも呼ばれた。ブレイクビーツを基本に、ロックなどの要素を取り入れたりサウンドは、ビッグ・ビートやデジタルロックと呼ばれ、クラブミュージックシーンの地図を書き換えた。ロックを感じる新感覚のサウンド、オアシスのノエル・ギャラガーやマーキュリーレヴのジョナサン・ドナヒュー、ザ・フレーミングリップスのウェイン・コインなど人気ロックバンドをフィーチャリングしたことで、ロックファンをクラブへと向かわせた立役者でもある。
ニューアルバム『WE ARE THE NIGHT』(EMI ミュージック)では、英人気バンドのKLAXONSなどをフィーチャリング!
DIGITALISM
【出演するフェスティバル】SUMMER SONIC(8月11日・東京、8月12日・大阪)



ドイツはハンブルグ出身のエレクトロ・デュオ。ポスト・ダフトパンクとして、世界中の有力な音楽誌やプロモーターがこぞって大プッシュする今年最大のニューカマーだ。彼らのサウンドはエレクトリックなダンス系からギターを取り入れた作品まで幅広く、テクノなどのダンスミュージクしか聞かないクラバーにもロックリスナーにも愛されている。先に行われた来日公演でも会場に入りきれないほどのファンが押し寄せたという。こうしたサウンドの秘密は、もともとロック好きだった彼らが「ロックするためにダンス・ミューミュージック」を作っているから。ダフトパンクやケミカルブラザースの後、ロックとダンスを融合させた新時代を作り出すのは彼らしかいない。

デビューアルバム『デジタル主義』(EMIミュージック)は世界中で絶賛されている
BONDE DO ROLE
【出演するフェスティバル】SUMMER SONIC(8月11日・東京、8月12日・大阪)



 今、最も熱いとされるブラジル発のダンスミュージック、バイリファンキ。ダンス・ホール・レゲエにエレクトロ、ヒップホップ、マイアミベースなどが交じり合った、起源の分からないサウンドで、CSSといったスターも生んでいる元気なシーンだ。そのなかでキラリと輝くのがBONDE DO ROLE(ボンジ・ド・ホレ)。壊れちゃったおもちゃのようなポップセンスが組み込まれたサウンドが受けて、英国を代表するインディーレーベルのドミノからデビューするやいなや、各所から注目されている。

デビューアルバム『Bonde Do Role With Lasers』(hostess)には、抱きしめたくなるほどポップな「office boy」も収録されている
チャットモンチー
【出演するフェスティバル】ROCK IN JAPAN FES.2007(8月5日)、SUMMER SONIC 07(08月11日)他)



 太く厚みのあるオルタナティヴロックを聞かせてくれる3ピースロックバンドのチャットモンチー。シングル『シャングリラ』で、近年日本のミュージックシーンを席巻しているディスコビートを取り入れてミラーボールの似合うロックソングを作った。
HIFANA
【出演するフェスティバル】FUJI ROCK FESTIVAL(7月27日)



「音で遊びましょう」と、リアルタイムにサンプラーのパッドを叩いてビートを刻んだり、スクラッチやパーカッションを載せていくスタイルの、ブレイクビーツユニット。8月1日にはニューアルバム『CONNECT』(EMIミュージック)を発売。
8otto
【出演するフェスティバル】SUMMER SONIC(8月11日・大阪、8月12日・東京)RISING SUN ROCK FESTIVAL(8月17日)



 独自のポップセンスをそこはかとなく散りばめながら、ロックとクラブミュージックを融合させたグルーヴ感たっぷりのサウンド。お腹に響いてくる低いボーカルだってうねりがある。ステージに立つ姿を見るだけでも痺れる圧倒的なバンドだ。関西出身、ニューヨークで技術をたたき上げた彼らの鳴らす音は「完全世界基準」とも呼ばれている。ファーストアルバム『we do vibration』をTHE STROKESのセカンドアルバム『ROOM ON FIRE』のエンジニア、ヨシオカトシカズ氏が全面プロデュースしたのがその証拠だ。6月にスタートした全国ツアーでもまたファンを増やしている。秋には、待望のニューアルバム『Real』をリリースする予定。

メジャーデビュー作となったミニアルバム『Running PoP'』(BMG JAPAN)。この作品で8ottoはポップの頂点を目指すという
Arctic Monkeys
【出演するフェスティバル】SUMMER SONIC(8月11日・大阪、8月12日・東京)



 数々のアーティストを輩出する英国北部・シェフィールドで、2002年にこの街で産声をあげた“サル”たちは、インディーキッズやパンクキッズのサポートを集めて、目にも留まらぬスピードでスターダムに駆け上った。リバティーンズやフランツ・フェルディナンドが引き合いに出される彼らのサウンドは、拳を振り上げたり、ヘッドバンギングでレスポンスする類いのものではなく、ラプチャーやクラクソンズらが引き合いに出されるニューレイヴとも言い切れない音。イギリス特有のインディーロックでありながら体を横に揺らしながら楽しめる“踊れるロック”なのだ。

メンバーの脱退を乗り越えてリリースされたセカンドアルバム『My favourite Nightmare』(hostess)。バンドの成長が聞ける1枚だ
TRICERATOPS
【出演するフェスティバル】ROCK IN JAPAN FESTIVAL(8月5日)、SUMMER SONIC 07(8月12日)他



「ロックで踊らせたい」と活動している3ピース・バンド。彼らの音を聞けば固まりきったロックのイメージも払拭されそう。
FRATELLIS
【出演するフェスティバル】SUMMER SONIC (8月11日・大阪、8月12日・東京)



 グラスゴー出身の3ピース・バンド。話題のiPodのCMソング「気取りやフラッツ」に代表される、軽快なロックンロールとキャッチーなメロディーが特長だ。今活躍しているバンドの中で、最も「踊れるロック」サウンドを分かりやすく聞かせてくれるバンド。
Happy Mondays
【出演するフェスティバル】FUJI ROCK FESTIVAL(7月29日)



 一般にも浸透してきた英国マンチェスターの伝説的なクラブ「ハシエンダ」で発掘され、ストーンローゼスらとともにマッドチェスターブームを牽引したグループ。ダンスミュージックとロック(そしてドラッグカルチャー)を組み合わせたサウンドは、現在の“踊れるロック”“ロックなダンス”を鳴らすアーティストたちが聞いて育ててきたもの。ハピマンがなければ今の彼らはなかったかもしれない。それほどミュージックシーンに多大なる影響を与えているのだ。すでに超のつく大御所、生けるレジェンドでもある彼らだが、昨年務めたFUJI ROCKクロージングではオーディエンスを最高潮に盛り上げた。今なおフレッシュに感じるサウンドにはただただ驚くばかりだ。


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