
vol.316
流出放射能を過小報告
東京電力は18日、新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発6号機から海に放出された放射能について放出推定値を約9万ベクレルと訂正し、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。当初は約6万ベクレルと発表していたが、同原発の担当者が16日、測定器から打ち出された数字を誤って転記し、一部の放射性元素の濃度が計算に含まれていなかったという。東電が17日夜に再点検したところ、18日になって誤りが確認された。法令限度はいぜん下回っているというが、トラブル多発の中での“過小報告”に、保安院は東電に厳重注意した。
新潟県柏崎市は火災が発生した施設内の地盤に傷みが見つかったとして、消防法に基づき、同原発の安全が確認されるまで運転しないよう緊急停止命令を出した。消防法に基づく停止命令は高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏洩事故(平成7年)に次いで2例目。停止は長期化する見通しで、夏の電力需要ピーク時に供給不足となる可能性も出てきた。
東電については、安倍晋三首相が「報告が遅かった」と述べるなど、トラブル多発と報告の遅れについて批判する声が政府から強まり、17日、新潟県原子力安全対策課は立ち入り調査した。
また、甘利明経済産業相は18日、同原発が変圧器火災の消火に約2時間もかかったことを問題視し、原発内火災を自力消火する態勢を整えるよう電力会社に指示する方針を表明、「(地震では)地域消防は住民の救命のためなどに出払ってしまう。応援の自衛隊消防が来ないことを前提に、各原発施設に自営消火態勢を早急に整備するよう指示する」と述べた。