
vol.316
北朝鮮が核関連施設の稼働を停止・封印も…
18日から北京の釣魚台迎賓館で開かれた北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合は、北朝鮮が寧辺の核関連施設の稼働を停止、封印したことを受け、「次の段階」の「すべての核計画の申告」の範囲や「既存施設の無能力化」の時期などを協議した。
韓国の首席代表、千英宇・外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長によると、会合では北朝鮮の金桂寛外務次官が、5カ国が対応措置を取れば(核施設の)申告と無能力化を年内に行うとの姿勢を示したという。
これに対し、日本の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は「(年内履行が可能かどうか)結論は出ていない」と説明した。リスト提出と無能力化の年内履行で成果を出したい米国と、先に重油95万トンの獲得や米国のテロ支援国家指定解除などを目指す北朝鮮との間で「ハラの探り合い」(協議筋)が展開された。
18日の会合ではまた、「次の段階」の措置での対北経済・エネルギー支援について各国から意見が出された。日本は「次の段階では核兵器、核物質を含む包括的な申告が行われる必要がある」と指摘。そのうえで経済・エネルギー支援についても「日朝間の懸案に対応してわが国も参加する用意がある」との立場を表明した。
北朝鮮が核施設を再稼働不能にする「無能力化」と核計画の完全申告を年内にも実施する意思を表明したものの、具体的な議論は作業部会に持ち越される。
ヒル次官補は18日、記者団に「次の段階の措置」の年内実現を図る考えを強調し、そのうえで、核燃料や核兵器の解体など「より重要な第3段階が来るが、それはおそらく来年のことだ」と述べた。同次官補としては、今後の具体的な目標を決めることで、交渉に弾みをつけたいねらいがあるとみられる。ただ、プリチャード元米朝鮮半島和平担当特使は17日、米ワシントンでの講演で、「米国には進展が必要だが、北朝鮮にはその必要性はない。無能力化も簡単に行うとは思わない」と、ヒル次官補の描く「青写真」に疑問を投げかけた。プリチャード氏は「北朝鮮が寧辺で働く科学者らの再雇用の問題のほか、軽水炉の問題を真剣に話し合おうと言ってくることが想定される」と述べ、09年1月のブッシュ政権の任期満了までにこれらの問題は解決しないとの認識を示した。