
vol.316
ダヴィンチ対テーオーシー 国内初の敵対的TOB成功なるか!?
不動産ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズが、ホテルニューオータニ系の不動産会社、テーオーシーに行っている敵対的TOB(株式公開買い付け)の期限が23日に迫り、テーオーシー側は株の買い増しで防戦する一方、ダヴィンチはTOB成立に自信を深めている。この敵対的TOBが成立すれば、上場企業としては日本で初のケースになるだけに白熱する攻防戦の行方に注目が集まった。
乗っ取り懸念
両者の“激突”のシンボルとなっているのは、テーオーシー本社も入る東京都品川区の旗艦ビル「TOCビル」。同社よると、このビルの売上高は全体の30%を占め、大きな収益源となっている。
「TOCビル」は老朽化が進み建て替えが喫緊の課題。建て替えを急げば、短期的に利益が損なわれ、株価が下がって買収の対象になりかねず、非公開にして株主の思惑に左右されることをなくしたうえで、不動産価値を向上させたいという狙いがあった。
そんな中、ダヴィンチ側によるテーオーシー株の大量保有が判明。テーオーシーは、乗っ取りを懸念し、1株800円でのMBO(経営陣による自社買収)に踏み切った。
白熱する攻防
ダヴィンチがテーオーシーに目を付けたのは、テーオーシーの保有する土地・建物の売却の受け皿になることや、約2000億円とされる保有不動産の時価に比べ、現在の時価総額が約1700億円と割安とみているためだ。都心部の地価上昇で賃料収入増も見込まれるうまみもあった。
ダヴィンチは1株800円にした場合、経営陣が約1000億円で会社を買うことになるため「安すぎる」と反発。1株1100円でのTOBを提案した結果、株価が上昇し、MBOは失敗に終わった。
その後、株価が1200円前後を推移する中で、テーオーシー側の株の買い増しが判明。ダヴィンチはT
OB成立に向け、TOB価格を1308円に引き上げたり、買い取り期限を今月18日から23日に延長するなどし、白熱した攻防が続いている。
すれ違いのまま
敵対的TOBが成立すれば上場企業では日本初となるが、ダヴィンチは「成功すればテーオーシー側と協力して企業価値を上げる」と“共同歩調”を望むことを強調。また、TOCビルを傘下のファンドが持つ同じ価値のビルと交換することを提案し、「資産の切り売りになる」とテーオーシー側から猛反発を受けたことについては、「あくまで提案の一つ。ビルを売り払ったりするつもりはない」と柔軟な姿勢をみせている。