今週のTOKYO HEADLINE
vol.317
(2007.07/30-08/05)
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写真:加藤大毅
SPORTS vol.317

TOKYO ATHLETE FILE vol.13

小林由佳(空手家)

 この写真を見て、彼女が空手家だと言い当てられる人がどれぐらいいるだろうか? それも199戦177勝、優勝41回という日本屈指の強豪だと。小林由佳(西山道場)はキュートなルックスと確かな実力を兼ね備えた注目度急上昇中の「TOKYO ATHLETE」だ。今回はそんな“空手界のアイドル”を直撃。空手への思いや気になるプライベートなどを聞いた。

「空手があったからこそ今の自分がいるんです」

――5月、6月にファーストフォトブックとDVDが連続リリースされましたが、まずはその感想から聞かせてください。

「最初はそんなお話をいただくとは想像もしていなかったのでびっくりしました。いざ作る段階になってもどんな作品になるのかイメージできなかったんですけど、実際に始めてみると撮影はすごく楽しかったです。今まで空手一筋でやってきたので、一瞬ではありますけど違う世界を体験できました」

――作品の見どころは?

「DVDには普段の練習やスマックガールなどの試合映像のほかに、いろいろなお洋服を着させていただいているシーンも収録されています。もちろん全部見てほしいんですけど、個人的には初めて出た試合があるので、そこから練習次第で成長できるというところを感じてもらえたらうれしいです」

――あとは架空のアクション映画『鉄拳ガールズ』の予告編ということでアクションシーンにもチャレンジされているそうですが。

「これは空手と似た感じかと思っていたんですけど、実際やってみるとまったく別物でした。空手はなるべくモーションを少なくして相手に当てるという考え方なんですけど、アクションは逆。どれだけ派手で自分を大きく見せられるかというところが大事だったので、けっこう苦労はしました」

――この経験を生かしてアクション映画出演なんていう話もありそうですね。

「それにはかなりの特訓がいりますし、根本的に鍛え直す必要があります。私、運動神経がよくないので…」

――ちょっと待ってくださいよ(笑)。

「体育はこれまでずっと5段階中2ぐらいでしたし、今でも道場の小2ぐらいの女の子に坂道ダッシュで抜かされちゃったりするんですよ」

――試合中の動きからは全然そんな感じがしないですけど…。

「運動は好きで一生懸命やるんですけど、バスケットでもテニスでも周りの子にはついていけなくて。空手はとにかく練習したのである程度はできますが、運動が得意とは言えないですね」

――そうなると、最初に空手を始めた時はかなり苦労されたんじゃないですか?

「一番最初に練習に参加した時は、いつも動かさないところを動かしたのですごい筋肉痛になった記憶がありますね。あとは初めにスパーリングのクラスに出た時は、今まで生きてきた中で一番疲れたんじゃないかというぐらいの感覚になりました。その時は『もうスパーリングのクラスには出ないな』と思っていたんですけど、何かのタイミングで2回目をやったら、最初よりは楽になっていて。そういう積み重ねで今の自分があるんだと思います」

――空手のトレーニングは厳しいイメージがありますが、辛いと思ったことはありますか?

「道場は板の間で素足にならないといけないんですけど、冬の寒い時期にコタツから出る時とか、夏の蒸し暑い時期はちょっと辛いかなと思うぐらいですね(笑)。私、空手を辞めたいと思ったことは一度もないんですよ。もちろん先生(西山師範)を含めて周りの環境がよかったということはありますし、個人競技の空手が自分に向いていたのかもしれません。習い事は空手の前に習字やピアノなどをやっていたんですけど、空手に関しては唯一1人で始めたものだったということも大きいと思います」

――今ではフルコンタクト空手の大会だけでなく「スマックガール」などの総合格闘技イベントにも参戦されていますが、空手の試合とはどんな違いがありますか?

「プロのリングでは空手の試合とは違って音楽も大きいし、ライトもきらきらしていて。そういった演出をされているところが一番違いますね。入場も普段の空手の時とは違うので、なるべく楽しむようにしています。あとは周りにいる方もプロのリングではお客さんなので、空手にしかない面白さを見せようという意識はあります」

――小林選手が考える「空手の魅力」は?

「自分の体が小さいというのもありますけど、小さい選手でも精神力次第で大きい選手に勝てるところだと思っています」

――精神力の部分でいうと、小林選手は常に冷静に試合を進めている印象を受けます。試合中に熱くなることはないんですか?

「特にはないですね。試合中は集中を保ちつつ、セコンドの声にも耳を傾けることに気を配っていますから。そうすると自分の中では良いと思っていても、セコンドからは同じようには映っていない場合に対応できるんです。確かに試合をしている時は無表情だって言われますけど、それは特に教えられたからというわけでもなくて、痛い顔を出してしまうと相手にも効いていることが分かってしまうからなんです」

――ところで東京生まれ東京育ちの小林選手ですが、お休みの時はどのあたりに出かけられるんですか?

「普段はインドアなので、あまり出歩かないですね。これまで東京ドームに入ったこともないぐらいです(笑)。この間東京ドームには行ったんですけど、その日はKAT-TUNのコンサートにすごい数の女の子が来ていて、『本当にこんな人数が中に入るのかな?』って思っちゃいました。このあたり(港区)も初めてですし、外に出ても道場近辺ばかりなので、東京には詳しくないですね」

――なかなか本格的なインドアタイプですね(笑)。

「でも映画を見るのは好きですよ。最近でいうと『舞妓Haaaan!!!』が面白かったですし、家でもDVDを見たりしています。他に好きな作品は『花とアリス』や『天使の卵』とか、邦画が多いですね」

――先ほども「空手一筋」と言われてましたけど、他にやってみたかったことなどはありますか?

「カフェとかショップ店員のアルバイトをしてみたかったというのはありますけど、空手があったからこそ今の自分がいると思っているんです。先生にも『空手を続ける上でもいい』ということで進学を勧めていただいたりして、本当に周りの方には感謝しています」

――それでは最後に、今後の目標をお願いします。

「いま予定している試合はないんですけど、次が200戦目なんですよ。記念イベント? 考えたことはないですけど、女の子限定の大会とかもあったら面白いですよね。今はとにかく目の前にあることを全力でやって、次もいい勝ち方ができるように練習していきたいと思っています」




(聞き手/本紙・小池龍之)

■PROFILE 1986年3月22日、東京都生まれ。中学3年生でデビューし、身長150cmと小柄な体格ながら力強い組手で数々の大会を制覇。2005年には全日本無差別級チャンピオン、ワールドカップ銅メダルに輝く。フルコンタクト大会だけでなく、総合格闘技イベント「スマックガール」などにも精力的に参戦。幅広い層に空手の魅力を伝えている。西山道場所属。
DVD『小林由佳』
発売元:ポニーキャニオン 発売中 3990円(税込)
フォトブック『空手もえ』
発行元:ポニーキャニオン 発売中 1995円(税込)


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