
vol.317
柏崎刈羽原発運転再開は「早くても来年秋」
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所について、経済産業省が設置を予定している調査対策委員会の委員長に就任する班目春樹東大教授は25日、日本原子力学会が開いた倫理研究会で、全7基のうち一部でも運転を再開できるのは早くても来年秋との見通しを示した。
班目教授は「揺れが想定を上回ったら、(原子炉クレーンなど耐震設計が)B、Cクラスが全滅するというのは常識。しかし、復旧しないと技術基準を満たせず、運転を再開できない。1年、2年かかる」と述べた。
東電は柏崎刈羽原発の長期停止を受け、他の電力会社から融通を受けたり、福島第1原発の検査を延期したりして、今夏の電力供給にめどをつけたばかり。班目教授は「専門家は来年夏の心配をしている」と指摘しており、影響が拡大しそうだ。
核燃料プールを公開
新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6号機から放射性物質を含む微量の水が海に漏れた問題で、東京電力は23日、地震の揺れで使用済み核燃料貯蔵プールからこぼれた水が、電線管を通って放射線管理区域から非管理区域に流入したことが原因との調査結果を発表した。
東電によると、プール脇に燃料交換機の電源ケーブルを納める給電ボックスがあり、その側壁に非管理区域から電線を引き込む電線管(直径8センチ)が14カ所開いている。開口部は粘土状のシール材で埋めていたが一部にすき間があり、こぼれた水が電線管を通り非管理区域の中3階、3階へと漏れ、排水口から地下の排水タンクに流入。タンクに放射性物質を含んだプールの水が流れ込んだことに気づかず、計1.2トンを海に排出してしまった。
放射線管理区域と非管理区域は、厚さ40〜50センチのコンクリート壁で仕切られている。所々に電線管など穴があり、放射線管理区域内の気圧を低くし、空気が漏れないようにしている。しかし、水が漏れることは想定しておらず、東電は「設計上の配慮が足りなかった」としている。
25日には東京電力が6号機原子炉建屋内の使用済み核燃料貯蔵プールなどを報道陣に公開した。プールから漏れた水を回収したポリ袋が積まれる中、汚染防護用のナイロン製の作業服姿の職員が、床に飛び散った放射性物質をモップなどでぬぐい取る作業を行っていた。報道陣は、建屋内に設置された見学者用ギャラリーから貯蔵プール周辺を見た。
また24日の点検で車軸の一部に破損が見つかった同建屋天井部にある大型の移動式クレーンも公開。クレーンでつり上げて開閉する原子炉容器を覆う5つのコンクリート製のふたは、床に積み上げられたまま。クレーンの破損により、原子炉内の点検には時間がかかる見込みという。
耐震強度は全国最低
全国の工務店などで組織する日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(事務局・東京、木耐協)が平成12年末から3年間に実施した木造住宅の耐震診断で、新潟県の住宅の平均耐震強度は全国で最低だったことが25日、分かった。新潟県中越沖地震では1万棟を超す住宅に被害が出ている。
木耐協は、耐震診断の依頼を受けた木造住宅について、地盤や建物の形、壁の配置や数などから、震度6強級の地震に対する強度を点数化。1.5以上を「安全」、1.0以上1.5未満を「一応安全」、0.7以上1.0未満は「やや危険」、0.7未満を「倒壊の恐れ」と評価した。
12〜15年に、新潟県内で診断した499棟の平均点は0.56で全国最低。13年7月〜16年6月の717棟の調査(対象住宅の一部重複)ではワースト4位の0.62で、いずれも「倒壊の恐れ」だった。