
vol.318
タリバンの韓国人拉致で2人目の犠牲者
アフガニスタンで起きた韓国人23人の拉致事件で、イスラム原理主義勢力タリバンは30日、2人目の人質男性、沈聖 (シムソンミン)氏を殺害。要求を飲まなければ人質を殺害するとの主張が脅しではないことを鮮明にした。さらに残る人質が生存している映像を示し、取引に即座に応じるよう圧力を強めた。
2人目の人質男性の殺害について、タリバンの報道官とされる人物は、フランス通信(AFP)に、「数回の交渉期限を設定したが、アフガン政府は配慮しなかった。よって、『スン・シン』という韓国人をAK47(自動小銃)で殺害した」と述べた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが30日に放映した映像には、スカーフで頭部を覆った女性の人質が少なくとも7人確認された。また1日にはAFPはタリバン報道官の話として「交渉期限後は1人もしくはそれ以上の人質を、いつでも殺害する可能性がある」と伝えた。
タリバンは、同日正午(日本時間同日午後4時半)に交渉期限を設定していた。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは同日、アフガン政府が要求に従わないため人質4人をさらに殺害するとタリバン報道官が警告したと報じた。
しかしタリバンのスポークスマンは1日、ロイターに対し電話で残りの韓国人人質21人全員が生存していることを明らかにした。また、タリバン報道官を名乗る人物もAP通信に対し、21人は生存していると告げた。
2人目の犠牲者に何の手も打てなかった外交の限界に韓国政府、世論ともに不満といらだちを募らせている。韓国政府はアフガニスタン政府への経済協力などをテコに協力を要請、人質交換交渉への人道的配慮を求め、米国への協力と国際社会への理解を要請しているが、タリバン掃討作戦でアフガン政府や米国が譲歩する可能性は低い。