
vol.318
巨匠の死相次ぐ
「また逢う日まで」「勝手にしやがれ」など5000曲以上の歌を作詞し、昭和40年代後半から50年代の歌謡曲の黄金時代を牽引した作詞家で作家の阿久悠(あく・ゆう=本名・深田公之=ふかだ・ひろゆき)氏が1日、尿管がんのため、東京都内の病院で死去した。70歳。
ヒットメーカーとして、森田健作「さらば涙と言おう」、森昌子「せんせい」、沢田研二「時の過ぎゆくままに」など当時のヒットチャートをにぎわした。日本レコード大賞は「また逢う日まで」「北の宿から」「勝手にしやがれ」「UFO」「雨の慕情」と5回受賞している。
著作も多く、直木賞候補となった「瀬戸内少年野球団」は映画化された。「殺人狂時代 ユリエ」で第2回横溝正史賞、「ラヂオ」はラジオドラマ化されギャラクシー賞を受賞している。平成9年に菊池寛賞、11年には紫綬褒章を受けている。
先週は阿久氏のほかにも立て続けに各界の“巨匠”ともいうべき人物が亡くなった。
30日にはイタリアの映画監督で「情事」などの作品で世界的に知られるミケランジェロ・アントニオーニ氏が、ローマの自宅で死去した。94歳だった。
奇しくもその数時間後には、アントニオーニ監督と並んで「最後の巨匠」と言われたスウェーデンのイングマール・ベルイマン氏がバルト海にある同国のフォール島の自宅で89歳で死去した。
30日には「ベ平連」(ベトナムに平和を!市民連合)元代表で、旅行記「何でも見てやろう」などで知られる作家の小田実(おだ・まこと)さんが75歳で、28日(日本時間29日)には“プロレスの神様”として知られるカール・ゴッチ氏が米フロリダ州タンパの病院で82歳で死去した。