
vol.318
4〜6月期決算 大手銀は貸し倒れ費増え最終減益 電機は明暗が分かれる
■大手銀 本業不振が鮮明
三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2007年4〜6月期連結決算が31日まとまった。前年同期に融資先企業の経営改善などに伴う貸し倒れ引当金の取り崩し益が大きく増えた反動で、最終利益は5グループがそろって減益を余儀なくされた。本業のもうけを示す実質業務純益も、三井住友フィナンシャルグループとりそなホールディングスを除く3グループで減益となり、本業の不振が鮮明になった。
各行とも前年同期は景気回復で融資先の経営が改善し、過去に計上した貸倒引当金が利益として戻ってきたが、今期は経営改善が一巡し、その恩恵もなくなった。逆に、経営が悪化している一部融資先に対する引当金の積み増しが、利益を押し下げた格好だ。
■電機大手 課題が残る
日立製作所など電機メーカー大手9社は、経営再建中の三洋電機と欧州パソコン事業売却の特殊要因があったNECを除く7社がそろって増収を確保、利益面でも東芝、三菱電機が9月中間期予想を上方修正するなど過去最高益の並ぶ好調な決算となった。ただ、薄型テレビや電子部品の価格下落への対応力などでは各社の明暗が分かれた。
課題が残る決算を象徴したのが日立の業績だ。フルハイビジョン(HD)の高性能プラズマテレビで出遅れた薄型テレビ事業は、価格下落や販売台数の伸び悩みで損益が悪化。薄型テレビで価格下落に苦戦しているのは松下やソニーも同様で、主力の液晶や半導体メモリーの価格安定で通期利益の上ぶれも視野にあるシャープや東芝とは収益成長の先行きに微妙な温度差が出ている。
■大手商社 4社が最高益
大手総合商社6社は、原油や鉄鉱石の市況高騰を背景に資源・エネルギー関連事業が好調を維持。三井物産、伊藤忠商事、丸紅、双日の4社の最終利益が大幅な伸びを記録し、過去最高益となった。三菱商事と住友商事は減益だった。
三井物産の最終利益は前年同期比約2.2倍の1810億円。三菱商事の1153億円(前年同期比7.3%減)を上回り四半期ベースで三菱商事を抜き初めて首位に立った。
■ドコモはKDDIに大敗したが
NTTドコモの4〜6月期決算は売上高が前年同期比2.9%減の1兆1828億円、本業のもうけを示す営業利益は25.2%減の2038億円の減収減益となり、同期に大幅な増収増益を達成したKDDIに“大敗”した。とはいえ、KDDI、ドコモともに先行きには暗雲が垂れ込める。9月から本格的な料金割引競争が始まるためだ。値引きでドコモは08年3月期に400億円、KDDIは200億円の減収を予想する。
(ビジネスアイ)