
vol.320
内閣改造へ向け問題は山積
安倍晋三首相が27日に予定している内閣改造・党役員人事に注目が集まっている。閣僚の失言や不祥事、参院選の大敗により大幅な入れ替えが予想されるが、自民党内の非主流派などは、小泉前政権下で定着した首相主導の人事をひっくり返す好機ととらえ、「挙党態勢」の構築を名目にポストの確保をもくろんでいる。
山崎拓元副総裁は2日の派閥の会合後、「『お友達内閣』を解消し、広く党内の人材を求めるべきだ」と記者団に力説。長く非主流派に位置づけられる山崎氏は「挙党一致」の必要性も強調した。
森喜朗元首相は12日、フジテレビの報道2001などで、「断られてもいいから福田氏、谷垣氏にまず礼を尽くすことが大事だ。そう安倍首相にも伝えた」と述べ、福田氏は官房長官か外相に望ましいとの考えを表明。また、首相と一定の距離がある古賀誠元幹事長についても「古賀氏の力は大変なものだ」として、重要ポストでの処遇が必要だとの見方を示した。また、森氏は塩崎恭久官房長官について「東大卒、ハーバード大大学院修了というだけでは国会運営はできない」とも語った。
安倍首相は今月3日には、記者団とのやりとりで「派閥の推薦を受けずに組閣を行う」と宣言。13日には「(人事は)私一人で決めなければならないと思っている」とも語った。
混迷が続く防衛事務次官人事。13日に安倍晋三首相と小池百合子防衛相が会談を持ち、27日予定の内閣改造後に守屋武昌防衛事務次官を交代、後任に西川徹矢官房長を充てることで決着した。これを受け14日に小池氏と守屋氏が防衛省で協議したものの、物別れに終わった。
守屋氏は問題は未解決との認識を強調。警察庁の権限強化に対する強い警戒感もあり、西川氏の次官就任に強く抵抗している。
関係者によると、小池氏は守屋氏との協議で、重ねて西川氏の起用を主張。守屋氏は、安倍首相が記者団に「人事は何も決まっていない」と述べたことを引き合いに、塩崎恭久官房長官との調整を促したが、小池氏は「塩崎氏とはこの件でもう顔も見たくない」と不快感を示したという。小池氏は協議後、記者団に「われわれは日本国の防衛をやっているのであり、自己防衛をやっているわけではない」と述べた。
安倍首相は15日午後、「当然、大臣がしっかりと統率をしていかなければならない」と述べ、小池百合子防衛相が事態収拾に当たるべきだとの認識を表明した。
小池防衛相は閣議後の記者会見で、守屋氏が続投の意思を示したことを明らかにしたうえで「ご本人の意思がかなり固いと判断し、関係者に相談していた最中に報道されたことが混乱の原因だ。私は手順を間違えてはいない」と主張。新聞で報道された7日の前夜に「2度(守屋氏に)電話したが応答がなかった。危機管理上どうか」と批判した。